「5年経ったからそろそろリニューアルかな」という理由でリニューアルを検討している会社は多い。
ただ、5年という期間は目安にはなるが、それ自体は理由にならない。アクセスが順調で問い合わせも来ているサイトをわざわざ作り直すのは、費用と時間をかけて現状より悪くなるリスクすらある。
この記事では、ホームページリニューアルが本当に必要なケースとそうでないケースを整理したうえで、依頼先別の費用相場、よくある失敗パターン、発注前に確認すべき点を解説する。
リニューアルが必要か、部分修正で十分かを先に判断する
制作会社はリニューアルを勧める立場にある。提案を受けてから考えるのでは判断が難しい。まず自社で「本当に全面リニューアルが必要か」を整理しておく。
リニューアルが必要なケース
スマートフォン未対応
現在もスマホで正常に表示されないサイトは、Googleの検索評価が下がるだけでなく、見込み客が離れる直接的な原因になる。これはリニューアルで対処すべき最も明確な理由だ。
サービス・事業内容が大幅に変わった
提供しているサービスや事業内容がサイトと乖離している場合は、コンテンツを根本から作り直す必要がある。部分修正では追いつかないケースも多い。
CMSが古くてセキュリティリスクがある
WordPress等のCMSを使っている場合、バージョンが古いまま放置されているとセキュリティの脆弱性を抱えたまま公開し続けることになる。プラグインの更新が止まっている場合も同様だ。
表示速度が著しく遅い
ページの読み込みに3秒以上かかる状態が続いているなら、改善を検討すべきタイミングだ。Googleの検索評価にも影響する。
部分修正で対応できるケース
リニューアルしなくてもいい状況も多い。
- アクセス数・問い合わせ数が問題ない
- 「なんとなくデザインが古い気がする」程度の不満
- 情報の更新はできている
こうした状況であれば、特定ページのデザイン変更やテキスト修正、CTAボタンの追加といった部分修正で十分な場合がほとんどだ。全面リニューアルは費用と時間がかかる。問題の所在を先に明確にしてから判断する。
ホームページリニューアルの費用相場
リニューアルの費用は依頼先と規模によって大きく変わる。「○万円〜」という表記は多いが、依頼先を無視して金額だけ比較しても意味がない。
依頼先別の費用目安
| 依頼先 | 費用の目安 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| フリーランス | 10万〜30万円 | 費用は抑えられるが、サポート体制は個人差が大きい |
| 中小制作会社 | 30万〜100万円 | バランスが取りやすい。実績確認が重要 |
| 中規模以上の制作会社 | 100万〜300万円以上 | 提案・戦略まで含むケースが多い |
中小企業のリニューアル費用として実際に発注されている金額の半数以上は100万円以下の範囲に収まっている。30〜80万円の予算で、スマホ対応・デザイン刷新・CMS整備の基本的なリニューアルが依頼できる。
費用に何が含まれるか
制作会社への見積もりには、通常以下の項目が含まれる。
- デザイン費: トップページや主要ページのデザイン制作
- コーディング・実装費: デザインをWebサイトとして動かすための作業
- コンテンツ移行費: 既存の文章・画像を新しいサイトに移す作業
- CMS設定費: WordPress等の管理画面の設定
- 基本的なSEO設定: タイトルタグ・メタ情報の設定
一方で以下は別途費用になるケースが多い。
- 写真撮影・画像制作
- 文章の新規ライティング
- アクセス解析の設定・引き継ぎ(GA4・サーチコンソール)
- 公開後の保守・月額管理費
「込み込みでいくらか」を最初に確認しておかないと、見積もり外の項目が積み上がって予算オーバーになる。
リニューアルで失敗する3つのパターン
リニューアルは「新しくなる」だけでは成功ではない。よくある失敗パターンを先に知っておく。
パターン1:リニューアル後にアクセスが激減する
リニューアルで最も深刻なリスクがこれだ。原因の多くはURLの変更に対するリダイレクト設定の漏れだ。
旧サイトのURLが変わるときに、旧URLから新URLへのリダイレクト(301転送)を設定しないと、Googleは「そのページが消えた」と判断する。検索結果の順位がリセットされ、積み上げてきた流入が一気に失われる。
リニューアル後のアクセス激減は珍しいことではない。制作会社に「リダイレクト設定は含まれているか」を必ず確認する。
パターン2:目的が「きれいにする」だけで終わる
デザインをきれいにしても、問い合わせが増えるとは限らない。
リニューアルを成功させるには「何のためにリニューアルするか」が明確である必要がある。問い合わせを増やしたいのか、採用強化したいのか、ブランドイメージを変えたいのか。目的によって、作るべきページも、測るべき指標も変わる。
制作会社に依頼する前に「リニューアル後に何が変わっていれば成功か」を1文で言える状態にしておく。
パターン3:運用体制がないまま公開する
「誰がサイトを更新するか」を決めずにリニューアルすると、公開後に放置されるサイトになる。
制作会社に更新を依頼するたびに費用が発生し、最終的に「更新できないから古いまま」の状態に戻る。これは多くの中小企業で繰り返されているパターンだ。
最初から自社でテキストや画像を更新できるCMS(WordPressなど)で納品してもらう前提にしておく。管理画面の使い方も引き渡し時に研修してもらえるか確認する。
発注前に確認すること
制作会社への依頼を決める前に、以下を確認しておく。
URLが変わる場合のリダイレクト設定
旧サイトのページが消えないよう、旧URLから新URLへの転送設定が必要だ。これが含まれているか、含まれていない場合は追加費用がいくらかを確認する。
GA4・サーチコンソールの引き継ぎ
アクセス解析のデータは会社の資産だ。リニューアル後も途切れずにデータが蓄積されるよう、引き継ぎ作業が対応範囲に含まれているかを確認する。
WordPressでの納品か
自社で更新できない形での納品は避ける。HTMLの知識がなくてもテキスト変更や記事追加ができるWordPressでの納品を基本とする。
公開後の保守費用
月額の保守・管理費用がいくらかかるかを事前に確認する。安い初期費用に対して保守費用が高いケースがある。また、小さな修正依頼1件あたりの費用感も確認しておく。
実績サイトのGA4データを見せてもらえるか
「集客できるサイトを作ります」という提案は多いが、実績サイトのアクセス数を確認できる制作会社は少ない。できれば過去のリニューアル案件でアクセスがどう変化したかを確認したい。
まとめ:リニューアルより先にやること
ホームページリニューアルの前に確認すべきことは「現状の問題が何か」だ。
GA4(Googleアナリティクス)とサーチコンソールを使えば、どこで離脱されているか、どんなキーワードでアクセスが来ているか、表示回数はあるのにクリックされていないのかが分かる。現状を数値で把握しないままリニューアルを発注すると、「費用をかけたが何も変わらなかった」という結果になりやすい。
ツールの見方が分からない場合はWeb集客を始めたい中小企業はどこに相談すればいい?選択肢を整理も参考にしてほしい。
ホームページのリニューアルや改善の方向性について相談したい場合は、当社でも受け付けている。