事務代行・外注

マネーフォワード対応の経理代行3選|月3万〜10万円の費用比較【2026年版】

著者:野原琉海(業務効率化に特化したエンジニア)

「マネーフォワードを使っているが、経理を外注したい。どこに頼めばいいか分からない」

こう思っている経営者は少なくない。「マネーフォワード対応」と書かれた経理代行サービスは複数あるが、費用も対応範囲もばらばらで、何が違うのか分かりにくい。

僕がいくつかの経理代行サービスを実際に調べた経験から言うと、「マネーフォワード対応」と書いてあっても、自動連携を活かした運用をしているサービスと、実態は手動入力と変わらないサービスに大きく分かれる。この違いを把握せずに選ぶと、マネーフォワードを導入した意味がほとんどなくなる。

この記事では、マネーフォワードを使っている会社が経理代行を選ぶ際に確認すべきポイントと、3つの選択肢の費用比較・向き不向きを整理する。

マネーフォワードを使っている会社が確認すべき3つのポイント

一般的な経理代行の選び方では「依頼できる業務の範囲」「費用」「対応スピード」を比較する。マネーフォワードを使っている会社には、これに加えてもう1つ重要な確認事項がある。

1. 自動連携を前提とした運用ができるか

マネーフォワード クラウド会計は、銀行口座やクレジットカードと連携して取引データを自動で取得できる。この連携機能を使うと、明細の手入力が不要になり、記帳作業が大幅に減る。

経理代行サービスによって、この機能の使い方は3パターンに分かれる。

パターン 運用方法 マネーフォワード活用度
A(自動連携を活かす) 口座・カード連携で取得済みのデータを前提に仕訳確認・修正を行う 高い
B(部分的に活かす) 連携設定を行い、取り込まれたデータのレビューと手入力分の追記を行う 中程度
C(手動) データ連携は使わず、通帳コピーや領収書を毎月送付する手動運用 ほぼ活かせない

問い合わせ時に「口座連携のデータを前提とした運用が可能か」を確認しておくだけで、委託後のミスマッチを防げる。「マネーフォワード対応」と書いてあっても、実態はパターンCということは珍しくない。

2. 依頼できる業務の範囲

経理代行サービスには「記帳代行のみ」に対応するサービスと「経理全般」に対応するサービスがある。自社に必要な業務範囲を先に整理してから比較すると選びやすくなる。

業務 記帳代行 経理代行(フル)
仕訳・入力
月次試算表の作成 △(対応業者による)
給与計算 ×
請求書の発行・管理 ×
支払い処理(振込代行) ×
税理士対応 ×

「帳簿の入力だけ困っている」なら記帳代行で十分だ。「経理担当がいなくなり、月次の数字を毎月確認したい」「給与計算も一緒に任せたい」なら経理代行(フル)が必要になる。

この整理を先にやっておかないと、「記帳代行しか対応していないサービスに給与計算まで頼もうとして断られた」というミスが起きる。実際にそういう相談をいくつか受けたことがある。

3. 費用の目安

マネーフォワード対応の経理代行サービスの費用は、依頼する業務範囲と仕訳の件数によって変わる。

サービスの種類 月額費用の目安
マネーフォワード公式「おまかせ経理」 月10万円〜(税込)
経理代行会社(フルアウトソース) 月3万〜8万円
記帳代行のみ(代行会社) 月1万〜4万円
クラウドソーシング(個人フリーランサー) 月4,000円〜3万円

費用で選ぶ前に、必要な業務範囲と自社の仕訳件数を把握しておくと、問い合わせ後の見積もりが比較しやすくなる。

仕訳件数別の費用相場

外部の経理代行会社やクラウドソーシングの費用は、多くの場合「月の仕訳件数」をベースに料金が決まる。自社の仕訳数を把握しておくと見積もりを取りやすい。

月の仕訳件数の目安 記帳代行の費用相場
50件以下 月1万〜1.5万円
100件以下 月1.5万〜2.5万円
200件以下 月2万〜3.5万円
300件以上 月3.5万〜5万円以上

従業員10人前後の会社なら、月の仕訳件数は100〜200件程度になることが多い。それ以上の取引がある会社は外部代行会社でもフル対応のプランを選んだ方がコスト的に安定することが多い。

選択肢1: マネーフォワード公式「おまかせ経理」

マネーフォワード クラウドが提供するアウトソーシングサービス。月額10万円(税込)から利用できる。

マネーフォワードのシステムを前提に設計されているため、データ連携の精度が高い。仕訳確認・月次試算表の作成・税理士対応まで一括して任せられる体制になっている。月初の第1営業日に未収金の状況を確認し、最短5営業日で月次試算表を完成させるスピードが売りになっている。

向いている会社

  • 月額費用に余裕があり、経理業務全般をまとめて外注したい会社
  • 正社員の採用が難しく、月10万円を経費として計上できる規模(従業員20〜50人程度)
  • マネーフォワードとのデータ連携で手間を最小化したい会社

向いていない会社

  • 記帳代行だけ頼みたい会社
  • コストを抑えたい5〜10人規模の事業者
  • 給与計算など特定の業務だけ外注したい会社

月10万円は、従業員5〜10人規模の会社にとっては重い出費になりやすい。同水準の業務範囲を外部の代行会社で依頼すると、月3万〜5万円に収まることが多いため、費用対効果を比較した上で判断した方がいい。

選択肢2: マネーフォワード対応の外部経理代行会社

会計ソフトとしてマネーフォワードを使った作業に対応している外部の経理代行会社。月額3万〜8万円が多い。記帳代行のみであれば月1万〜4万円程度に収まる。

委託先がマネーフォワードのデータにアクセスして仕訳の確認・修正を行うため、口座連携の閲覧権限を渡す必要がある。マネーフォワード クラウドはメンバー権限の設定ができるため、「閲覧のみ」「特定機能のみ」などの制限をかけることが可能だ。

選ぶ時に確認すべきこと

  • マネーフォワードの操作経験がある担当者が付くか
  • 口座連携のデータを前提に仕訳作業を進める運用ができるか
  • 給与計算・請求書管理などの付帯業務に対応しているか

「マネーフォワードを使った記帳代行経験が3年以上ある」「マネーフォワード認定アドバイザーが対応する」などの基準で探すと、実態のある対応能力を確認しやすくなる。

向いている会社

費用を抑えながら、記帳代行から月次処理まで一括して任せたい会社。従業員10人前後で、給与計算は社労士に任せているが月次の経理作業を外注したい会社にも向いている。

バックオフィス全体の外注コストを費用目安と比較しながら選びたい場合は、バックオフィス代行費用|月3万円〜の外注で失敗しない選び方も参考になる。

選択肢3: クラウドソーシング(ランサーズ・ココナラなど)

ランサーズやココナラでは、マネーフォワードを使った記帳代行を引き受けているフリーランサーが複数いる。費用は月4,000円からと安く、仕訳数無制限で対応するプランも存在する。

向いている会社

  • 取引件数が少ない個人事業主・小規模法人(仕訳50件以下程度)
  • 記帳の入力作業だけ軽く頼みたい

向いていない会社・注意点

給与計算や月次試算表、税理士対応なども含めて任せたい会社には向いていない。個人フリーランサーへの委託は、対応スピードや業務範囲にばらつきがある点も考慮すべきだ。

依頼前に確認すべき点は以下の3つ。

  • マネーフォワードの操作実績があるか(スキルページの実績レビューで確認)
  • 月次の締め作業に対応できるか(単なる入力代行か、月次確認まで含むか)
  • 突発的な取引が増えた場合の対応方針(仕訳数が増えると追加料金が発生するケースが多い)

費用が安い分、対応範囲も限定的になる。「とりあえず試してみる」として使う分には問題ないが、給与計算や月次確認まで任せたい場合は外部の経理代行会社を選んだ方が安定する。

記帳代行を外注するかどうかの判断基準については、記帳代行の判断基準|自分でやるか外注するかの分岐点も読んでみてほしい。

委託前に確認すべき3つの落とし穴

経理代行を委託した後で「こんなはずじゃなかった」となるケースは、だいたい事前確認の漏れが原因だ。よくあるパターンを3つ挙げる。

落とし穴1: 口座連携の権限設定を合意していない

マネーフォワードを使った代行では、委託先にアカウントへのアクセス権限を付与するケースが多い。マネーフォワード クラウドはメンバー権限の設定ができるため、「閲覧のみ」「特定機能のみ」などの制限をかけることが可能だ。

委託前に「どの権限設定で作業するか」を合意しておかないと、意図しない範囲のデータを変更されるリスクがある。最低限、「どのメニューにアクセスできる権限を付与するか」を書面で確認しておくことを勧める。

落とし穴2: 「マネーフォワード対応」でも手動運用のサービスがある

実際に問い合わせて確認してみると、「マネーフォワード対応」と表記していても、実態は毎月通帳コピーや領収書を送付してもらって手入力しているだけのサービスがある。

こういったサービスに委託した場合、マネーフォワードの自動連携機能はほぼ使われない。連携の設定も自社でやることになり、「外注したのに手間が減らない」という状況になりやすい。

問い合わせ時に「口座連携のデータを前提に作業するか」「マネーフォワードの操作経験がある担当者が付くか」を直接確認することが重要だ。

落とし穴3: 税理士との役割が重複してコストが膨らむ

税理士に一部の経理業務を任せている会社では、経理代行と役割が重複する可能性がある。

税理士は申告業務が主な役割であり、日常の記帳作業まで対応するかどうかはケースによって異なる。経理代行に記帳を任せて税理士は申告のみにするのか、一元化するのかを事前に整理しておかないと、同じ業務に二重でコストが発生することがある。

実際に「税理士に記帳もお願いしていたが、経理代行も別途契約してしまい、どちらにも費用が発生していた」という話を複数聞いたことがある。委託前に税理士と話し合っておくだけでも防げる話だ。

会社規模・状況別の選び方

会社の状況 向いている選択肢 費用目安
個人事業主・取引件数が少ない小規模法人 クラウドソーシング 月4,000円〜1万円
記帳代行だけ必要・従業員5人以下 記帳代行専門会社 月1万〜2万円
月次試算表まで必要・従業員10人前後 経理代行会社(フル対応) 月3万〜5万円
経理業務全般を丸投げしたい・費用に余裕がある マネーフォワード おまかせ経理 月10万〜

「どれを選べばいいか迷う」という場合、まず「記帳代行だけでいいか、月次試算表まで必要か」を決めることが第一歩になる。多くの会社では記帳代行だけで十分なケースが多い。月次の数字を確認したい場合でも、外部の経理代行会社で月3万〜5万円の範囲でカバーできることがほとんどだ。

経理を外注する流れ全体については、中小企業の経理を外注する手順|準備から導入まで完全ガイドに詳しくまとめている。

大手メディアが書かない本音

経理代行サービスを比較するメディア記事には、「どのサービスも対応範囲が広く安心」と書かれていることが多い。ただ、実際に問い合わせて調べると印象が変わることがある。

月額3万円台の代行は、「請求書スキャンと月次仕訳確認まで」に対応範囲が絞られているケースが多く、給与計算や決算補助は別料金か対応不可になっていることがある。複数のサービスに問い合わせを出したとき、この点で回答がばらついた。

また、「マネーフォワード認定アドバイザーが対応」と書いてあっても、担当者が認定を取っているだけで、実務経験年数や対応企業数は事業者によって全く違う。「何社のマネーフォワード導入・運用を担当した経験があるか」を直接聞ける業者は信頼できる目安になる。

僕自身は、自社の経理についてはマネーフォワードと別のツールを組み合わせた半自動の運用にしており、月の経理稼働は2〜3時間程度に抑えられている。完全外注よりも自動化に投資した方が長期的にコストが下がるという判断だが、社内に経理の知識がある人間がいない会社では、まず代行を使いながら業務フローを整理するのが現実的なルートだと思う。

経理担当が突然いなくなった場合の対処法は、経理が突然辞めた!中小企業の経営者がまずやるべき5つのことにまとめている。経理代行を使う前の緊急対処として読んでほしい。

まとめ

マネーフォワードを使っている会社が経理代行を選ぶときに確認すべきことは3点だ。

  • マネーフォワードの自動連携を活かした運用が可能か(パターンA/B/Cのどれか)
  • 依頼したい業務範囲(記帳代行のみか、月次試算表・給与計算まで含むか)に対応しているか
  • 費用が自社の仕訳件数と業務範囲に見合っているか

選択肢の整理をすると以下のようになる。

選択肢 費用目安 強み 注意点
マネーフォワード おまかせ経理 月10万円〜 連携精度が高い・全業務対応 コストが高い
外部経理代行会社 月1万〜8万円 費用と範囲を選べる サービス品質にばらつきあり
クラウドソーシング 月4,000円〜 安価・小規模向き 対応範囲が限定的

公式おまかせ経理は信頼性が高いが、月10万円のコストが発生する。外部の経理代行会社やクラウドソーシングでも、マネーフォワードの操作に慣れたサービスを選べば十分に対応できる。

「経理担当がいない」「一人経理に限界を感じている」という場合は、外注する前に自社の業務量と必要な範囲を整理するところから始めるといい。

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