「ホームページから問い合わせが来ない」「SNSも試してみたが続かない」「誰かに相談したいが、どこに頼めばいいか分からない」
こう感じている中小企業の経営者は多い。Web集客の相談先というと、「Webマーケティング会社」「SEO会社」「Web制作会社」と複数の選択肢があり、それぞれが「うちに任せれば集客できます」とうたっている。どこが本当に自社に合っているのか、判断するための情報がまとまっていない。
この記事では、中小企業がWeb集客について相談できる窓口を5種類に整理し、費用感・得意領域・向き不向き・注意点を解説する。「どこに頼むか」の判断基準として使ってほしい。
Web集客の相談先は大きく5種類ある
1. Web制作会社
Webサイトの制作・リニューアルを主業務とする会社。検索からの集客に必要な「基盤(サイト)」を整えることが専門だ。SEO対策の基礎となるサイト構造・ページ速度・スマホ対応なども含めて依頼できる。
- 費用: サイト制作30万〜200万円以上。月次保守・SEO対応は月3〜10万円
- 向いている会社: Webサイトがない・3年以上更新していない・スマホで見づらい状態。まずサイトを整えてから集客を考えたい
- 注意点: 制作が得意でも、制作後の集客(運用)は別担当になることが多い。「作って終わり」にならないよう、運用フェーズの体制を契約前に確認する
2. WebマーケティングまたはSEO会社
サイトへの集客(検索経由・広告・SNS)を専門とする会社。SEO対策、リスティング広告の運用、コンテンツ制作の代行などが主なサービスだ。
- 費用: SEOコンサルは月5〜20万円、コンテンツ制作代行は1記事あたり1万〜5万円、広告運用は月額の20〜30%程度が代理手数料
- 向いている会社: サイトはあるが流入がほぼゼロ。SEO・広告・SNSのいずれかを本腰入れてやりたい
- 注意点: 成果が出るまで半年〜1年かかることも多い。「○ヶ月以内に検索1位」という断定的な約束をする会社は信頼性が低い。契約期間が長くなりがちなため、短期契約から試せるかを確認する
3. フリーランスのWebマーケター・SEOコンサルタント
個人でWeb集客支援をしているフリーランスに依頼する方法。Lancers・クラウドワークス・X(旧Twitter)などで探せる。
- 費用: 初回相談は無料〜1万円程度。月次コンサルは月3〜8万円が目安
- 向いている会社: 大手会社では費用が合わない。担当者が固定されていて直接話し合いながら進めたい。「SEOだけ」「広告だけ」など特定の領域に絞って相談したい
- 注意点: 実績が見えにくいことがある。依頼前に過去の支援事例を確認する。「何でもできます」より「○業種のSEOが専門です」のように専門領域が明確な人を選ぶ
4. 商工会議所・中小企業診断士
全国の商工会議所では、国の補助制度を使った専門家派遣を受けられる。IT活用・Webマーケティングに詳しい専門家を、低コストまたは無料で呼べる場合がある(商工会議所・商工会が窓口となる「専門家派遣事業」。利用回数や対象要件は各地域で異なる)。
- 費用: 相談窓口は無料。専門家派遣は無料〜1回数千円
- 向いている会社: 費用をかけずにまず現状を整理したい。「何から始めるか分からない」段階にある
- 注意点: 対応できる専門家の当たり外れがある。Webマーケティングに詳しい専門家が近くにいない地域もある。「方向性を決める」目的で使い、実行は別途依頼する使い方が現実的
5. ココナラ・クラウドワークスなどの専門家マーケット
スキルを持つ個人が出品しているプラットフォームで、「Web集客相談」「SEOアドバイス」「Google広告設定」などを数千円から依頼できる。
- 費用: 相談1回5,000〜30,000円が多い。継続サポートは月2〜5万円
- 向いている会社: 小さな課題を1点だけ相談したい。「Googleアナリティクスの見方を教えてほしい」「今のサイトの問題点を診断してほしい」など単発の相談向き
- 注意点: レビュー評価の確認が必須。実績が少ない出品者はリスクがある。継続的な支援よりスポット相談に向いている
状況別の相談先の選び方
| 状況 | 向いている相談先 |
|---|---|
| Webサイトがない・古い | Web制作会社 |
| サイトはあるが流入が少ない | SEO会社・Webマーケ会社 |
| 費用を抑えてまず方向性を確認したい | 商工会議所・フリーランス |
| 何が問題か分からない段階 | 商工会議所の無料相談 |
| 特定の課題だけ解決したい | フリーランス・専門家マーケット |
| SEO・広告・SNSをまとめて任せたい | Webマーケ会社 |
現状のサイト・集客の課題を確認した上で、どの方法が自社に合うかを一緒に整理できる。
相談前に整理しておくこと
相談先にコンタクトする前に以下を把握しておくと、相談の質が上がる。
1. 今のWebサイトの状態
サイトがない・3年以上更新していない・スマホで見づらい・問い合わせフォームが機能していない、などの状態を確認しておく。
2. 集客の目標
「月に何件の問い合わせが欲しいか」「どんな顧客を集めたいか」を大まかでいいので言語化しておく。「今は月0件で、月3件を目標にしたい」程度でも十分だ。
3. 毎月かけられる予算
「月5万円以内でできることをやりたい」「初期投資として100万円は出せる」など、予算の上限を決めておく。予算を先に伝えた方が、現実的な提案が返ってきやすい。
4. 自社でどれだけ動けるか
完全に外注したいのか、方針だけ教えてもらって自社でコンテンツを書くのか、によって向く依頼先が変わる。
「集客できます」という会社に注意すること
Web集客を相談しようとすると、「SEO対策・Web制作・SNS運用・広告運用をまとめて任せてください」という提案を受けることがある。その際に確認すべき点が2つある。
成果の定義と期間を言語化してもらう
「集客できます」の中身が「アクセス数が増える」なのか「問い合わせ件数が増える」なのかは、担当者によって異なる。アクセスが増えても問い合わせにつながらなければ意味がない。「何を持って成果とするか」「いつまでに何件の問い合わせを目標とするか」を契約前に確認する。
支援実績に具体性があるか確認する
「○○業界で検索順位1位を達成」のような実績は多くの会社がうたっているが、業種・期間・その後の推移も含めて確認する。「社名が出せる事例を見せてほしい」と要求しても問題ない。出せない場合はリスクが高い。
まとめ
Web集客の相談先は、自社の状況によって選ぶべき窓口が異なる。
- Webサイト自体を整えたい → Web制作会社
- 検索・SNSからの流入を増やしたい → SEO会社・Webマーケ会社
- 費用を抑えてまず方向性を確認したい → 商工会議所・フリーランス
- 単発の課題だけ解決したい → ココナラ等の専門家マーケット
相談先を選ぶ前に「今どの状態で、何を解決したいか」を言語化しておくことが最も重要だ。それが整理できれば、どの窓口に問い合わせるべきかは自然に絞られる。
「どの方法が自社に合っているか分からない」という段階から、現状を整理して方針を出すことができる。
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