事務代行・外注

中小企業のSEO対策を外注する場合の費用相場と依頼先の選び方

「SEO対策を外注したいが、費用がどのくらいかかるか分からない」という相談を受けることがある。話を掘り下げると、多くの場合、もう少し手前の問いにたどり着く。「そもそも外注すべき状況かどうか」という判断だ。

費用相場を調べる前に、まず外注が自社の状況に合っているかを確認してほしい。外注が合わない状況で契約しても、数ヶ月後に「お金を払ったのに順位が上がらなかった」という結果になりやすい。

業務効率化に特化したエンジニアとして、ジムフリで実際にSEO記事を月30本ペースで量産しながら試行錯誤してきた立場から、SEO外注の費用相場と選び方を整理する。

1. まず「SEO外注が自社に合っているか」を判断する

SEO対策の外注を検討する前に、自社の状況を確認する必要がある。外注が向く状況と、そうでない状況には明確な差がある。

外注が向くケース

  • ホームページへの検索流入がほぼゼロで、ゼロから仕組みを作る必要がある
  • 以前に自社で取り組んだが成果が出ず、専門家の視点を入れたい
  • 社内にWeb担当者はいるが、SEOの専門知識がなく判断できない
  • 月15万円以上の予算を継続的に確保できる

自社対応を先に検討すべきケース

  • Googleビジネスプロフィールの設定すら済んでいない(まずMEO対策が先)
  • 対象地域が限られる地域密着型の小規模事業者
  • 月5万円以下の予算しか確保できない
  • ホームページ自体が数年更新されていない

小規模・地域密着型の事業者であれば、SEO外注より先にMEO対策を自分でやる方法に取り組む方が費用対効果が高いケースが多い。「SEO対策をやらなきゃ」という焦りで外注を急ぐ前に、現状のWebサイトが集客できる状態かを先に確認してほしい。

外注前に確認すべき3つの条件

確認項目 詳細
予算の継続性 SEOは最低6ヶ月の継続投資が必要。一時的な予算では成果が出ない
自社側の関与体制 素材提供・方針確認・月次レビューには最低月2〜3時間必要
期待値の設定 成果が出始めるまで3〜6ヶ月かかる。即効性を期待すると失敗する

2. SEO対策の外注費用相場(サービス種別)

外注できるSEO対策は大きく4種類に分かれる。何を依頼したいかを先に整理してから見積もりを取ると比較しやすい。

コンテンツSEO(記事制作代行)

ブログや専門コラムの記事を継続的に制作・公開することで、検索流入を増やす施策。現在のSEOで最も普及した手法で、成果が出るまで3〜6ヶ月前後かかる。

規模感 月額目安 主な内容
月3〜5本の記事制作 15〜25万円 キーワード選定・構成・執筆・入稿を含む
月8〜10本の記事制作 30〜50万円 上記+競合分析・内部リンク設計を含む
フリーランスに直接依頼 1記事2〜4万円 戦略立案は自社が担う前提。品質のばらつきあり

1記事あたりの単価は、専門知識が求められる業界ほど高くなる。医療・法律・金融・ITなど「専門性が求められる分野」では1記事5〜10万円になるケースもある。

テクニカルSEO(サイト内部の改善)

ページ速度の改善、モバイル対応、構造化データの設定、サイト内のクロール設計といった技術的な改善を行う施策。既存サイトに技術的な問題があって検索に引っかかりにくい場合に有効で、一度改善すれば継続費用がかかりにくい点が特徴だ。

作業内容 費用目安
サイト診断・改善提案のみ 10〜30万円(スポット)
診断+改善作業まで一括 30〜100万円(スポット)
月次モニタリング・継続改善 月5〜20万円

テクニカルSEOは一括で解決できる部分が多く、コンテンツSEOのような長期継続費用にはなりにくい。ただし改善後もサイトが正常に機能しているかを定期確認するコストは発生する。

SEOコンサルティング

SEO戦略の設計・キーワード選定・競合分析・改善提案を専門家が担い、実行は自社で行う形式。社内にリソースがあり、「何を・どの順番で・どうやるか」の方針を外部から取り込みたい企業に向く。

対応範囲 月額目安
月次レポート+改善提案 10〜20万円
戦略立案+定例MTG+実行支援 20〜50万円

コンサルティングのみで成果を出すには、指示を受けて実行できる社内担当者が前提として必要だ。担当者がいない状態でコンサルだけ契約しても、提案が宙に浮いたまま終わる。この失敗パターンは後述する。

総合SEO支援(コンサル+実行まで)

戦略立案からコンテンツ制作・技術改善・レポーティングまで一括で対応する。SEO専門会社への委託が典型的な形式で、成果が出やすいが費用も高くなる。

規模感 月額目安
中小企業向け基本パッケージ 20〜40万円
本格的な支援(大量記事制作含む) 50〜100万円以上

なお、Web幹事などの発注支援プラットフォームが公開しているデータによると、SEO外注の月額費用は平均70万円台・中央値40万円台という報告がある。ただしこれは大企業・中小企業を含む全体の数字であり、中小企業が現実的に使う予算帯は月20〜40万円が多い。

3. 「月10万円以下」では実際に何が起きるか

検索すると「月5〜10万円からSEO対策」という広告や会社が出てくる。このレンジで実際に何が提供されるかを正直に書いておく。

月10万円以下のSEO外注では、以下のどれかに限定されるケースがほとんどだ。

  • 月1〜2本の記事制作(量的に効果が出るまでに何年もかかる)
  • テンプレートを使い回した低品質な記事の量産
  • 「サイトを診断しました」という10ページのPDFレポートが届くだけ
  • 順位チェックツールのデータをまとめた月次レポートの提供

費用を抑えることは合理的な判断だが、SEO外注は投入した作業量に比例するサービスだ。月5万円では「ほとんど何もしていない」状態に近くなる。月10万円以下で「総合的なSEO支援」を謳っている場合は、実際の作業内容と担当者の稼働時間を詳しく確認することを勧める。

僕の意見:月10万円以下のSEO外注は費用の無駄になりやすい

業務効率化エンジニアとして、SEO外注の失敗パターンを複数見てきた。月5万円でSEO外注を始めて1年後に「効果が出なかった」と後悔した会社のケースでは、実際に行われていた作業は月1本の記事制作と、Googleアナリティクスのデータをコピペしたレポートだけだった。

月10万円以下でSEOに予算を使うなら、外注するより中小企業がSEO対策を自分でやる方法を学んで自前で取り組む方が、1〜2年後の状況は良くなることが多い。外注費が積み重なる分、ノウハウも貯まらないからだ。

4. 外注先の種類と特徴

SEO対策を外注できる先は大きく3種類ある。それぞれ向く状況と注意点が異なる。

SEO専門会社

項目 内容
月額目安 20万円〜
向く状況 本格的にSEOに投資したい、成果を継続的に追いたい
注意点 会社ごとに得意な施策が異なる。コンテンツSEOが得意な会社とテクニカルSEOが得意な会社では提案内容が変わる

SEO専門会社を選ぶ際は、「どの施策に力を入れているか」を契約前に確認する。「SEOなら何でもやります」という会社は、特定の施策に突出した強みがない可能性がある。

Web制作会社(SEO付き)

項目 内容
月額目安 5〜20万円
向く状況 ホームページの制作・改修とSEOをセットで依頼したい
注意点 SEO専業会社と比べると専門性が劣るケースがある。「SEO対策込み」の実態がキーワード設定だけのこともある

制作会社にSEOを依頼する場合は、「月に何本の記事を制作するか」「どのキーワードを対象にするか」を具体的に確認する。抽象的な回答しか返ってこない場合は、SEOの実力がない可能性が高い。

フリーランス

項目 内容
費用目安 1記事2〜4万円(コンサルは月5〜15万円)
向く状況 費用を抑えたい、特定の作業(記事制作・競合分析)に絞って依頼したい
注意点 品質のばらつきが大きい。担当者の廃業・体調不良で作業が止まるリスクがある

フリーランスに記事制作を依頼する場合は、最初の1〜2本で品質を確認してから継続するかどうかを判断する。最初から大量に発注するとリスクが高い。

5. 契約前に確認すべき5つのポイント

SEO業界には、効果が不明確なまま費用だけを取り続ける業者が一定数存在する。契約前に以下を確認することでリスクを下げられる。

「1位を保証します」は断る

検索順位はGoogleのアルゴリズムが決めるものであり、いかなる外注先も1位を確約できない。「○ヶ月以内に1位にします」という保証を前面に出す業者は、確約できない約束を営業トークに使っている可能性が高い。

仮に順位保証が実現したとしても、競合の少ない低難易度キーワードで1位を取っているだけで、集客には貢献していないケースもある。

月次レポートの内容を事前に確認する

成果が見えないまま費用だけが出ていくケースの多くは、レポートが「作業報告」に終わっている。キーワードの順位変動・流入数の推移・問い合わせ数との相関など、ビジネスに直結する指標で報告してもらえるかを確認する。

「作業報告書」ではなく「成果報告書」が届く外注先を選ぶ。

成功報酬型は慎重に判断する

成功報酬型の契約は「成果が出なければ費用が発生しない」ように見えるが、実際には難易度が低い・競合が少ないキーワードを優先されるリスクがある。その結果、順位が上がっても集客に貢献しないキーワードしか対応してもらえなかった、というケースがある。

担当者の実績と専門領域を確認する

「○○業界で1位獲得」「月○万セッションを達成」といった実績を提示してもらえるか確認する。社名・URL・施策内容が分からない事例は検証できない。また、担当者が自社業界に詳しいかどうかも確認する。専門知識がないライターが書く記事は品質が低くなりやすい。

契約期間と解約条件を確認する

SEO外注では6ヶ月〜12ヶ月の長期契約を求められることがある。万が一成果が出なかった場合や担当者の質に問題があった場合の解約条件を、契約前に書面で確認する。「効果が出なくても解約できない」という契約になっていないか注意が必要だ。

6. ジムフリでSEO記事を自前で量産した話

業務効率化エンジニアとして、ジムフリでSEO記事を月30本ペースで量産する仕組みを自前で構築した経験がある。その立場から、外注と自前のコストを比較しておく。

ジムフリでAIを使った記事制作の実コストは、1記事あたりAPIコストで約500〜1,000円だ。同品質の記事を外部のSEO会社に依頼すると1記事3〜8万円になる。月30本であれば、外注すると90〜240万円、自前のAI組織では1.5〜3万円になる。

もちろん、自前でやる場合はシステム構築のコストと学習コストが先にかかる。最初の3ヶ月間はゼロから仕組みを作るコストが重くなる。ジムフリの場合、仕組みが安定したのは4〜5ヶ月後だった。

この経験から言えるのは、「SEO外注は短期的には確実だが、中長期では自前の仕組みを持つ方がコスト効率が上がる」ということだ。月30万円のSEO外注を2年続けると720万円になる。同じ予算で社内担当者を1人育て、AIツールを整えると、2年後には同程度かそれ以上の成果が出る可能性がある。

自前でSEO記事を作る仕組みについてはSEO記事の作成から公開まで全自動化した仕組みの全貌に詳しく書いている。外注と自前の判断基準として参考にしてほしい。

7. コンサルだけ契約して失敗するパターンと回避方法

SEO外注の中で特に多い失敗パターンは「SEOコンサルだけ契約して、実行者がいなかった」というケースだ。

コンサルタントが「このキーワードで記事を書いてください」と指示を出す。しかし社内に書ける人がいない。書ける人を探してフリーランスに依頼するが、コンサルの指示とフリーランスの品質がかみ合わない。結果として3ヶ月後に何も変わっていない、という状況になる。

コンサルティングのみの契約が機能する条件は、以下の3つが揃う場合だけだ。

  • 社内にSEOの指示を理解して動ける担当者がいる
  • 記事を書ける人員(社員またはライター)がいる
  • 月10〜20時間をSEOに使える時間的余裕がある

この3つが揃わない場合は、コンサルだけ契約しても成果は出ない。コンテンツ制作まで一括で任せる総合支援か、自社でやる方向のどちらかを選ぶことになる。

中小企業のブログ集客で困る5つの落とし穴では、外注・自前ともに共通する失敗パターンを詳しく解説している。SEO対策を本格的に始める前に確認してほしい。

8. SEO外注 vs 自前でやる:判断基準の整理

最終的な判断基準を整理する。

状況 推奨 理由
月15万円以上の予算があり、担当者もいない 総合SEO支援を外注 自前でやる時間・知識がない場合、外注が現実的
月15万円以上の予算があり、担当者はいる SEOコンサル+実行は自社 コンサルの指示を社内が実行できるため
月15万円未満の予算 自分でやるか、特定作業のみ外注 安い外注では成果が出にくい
地域密着型の事業者 MEO対策を先にやる SEOより即効性があり、コストも低い
ホームページが数年未更新 リニューアルを先にやる SEO以前に、サイト自体の品質が問題

SEO外注は「何もしなくていい」ものではなく、外注先との連携・月次確認・素材提供が必要だ。これを理解した上で外注すれば、適切な成果を期待できる。

コンテンツマーケティング全体の考え方については中小企業のコンテンツマーケティング【2026年版】が参考になる。SEO外注を検討する前に、コンテンツマーケティング全体の位置づけを理解しておくと判断しやすくなる。

まとめ

中小企業がSEO対策を外注する場合の費用と選び方を整理した。

費用の目安

サービス種別 月額目安
コンテンツSEO(月3〜5本) 15〜25万円
テクニカルSEO(スポット) 30〜100万円(一括)
SEOコンサルティングのみ 10〜20万円
総合SEO支援 20〜50万円

外注先を選ぶ際のポイント

  • 月10万円以下の価格帯では、実際の作業量が少なく成果につながりにくい
  • 「1位保証」を謳う業者は断る。成功報酬型にも注意が必要
  • コンサルだけの契約は、社内に実行担当者がいる前提
  • 月次レポートがビジネス指標(流入・問い合わせ)で報告されるか確認する
  • 契約期間と解約条件を書面で確認してから契約する

SEO外注は「任せれば解決する」ものではない。外注先との連携を継続し、月次で数字を確認できる状態を維持することが、外注費用を無駄にしないための最低条件になる。

関連記事

読んで欲しい記事

1

AI顧問とは月額契約で業務にAIを組み込む伴走サービス。AI研修・AIコンサルとの違い、仕事内容の月次フロー、費用感、向いている企業・向いていない企業を業務効率化エンジニアが解説。

「AI顧問って怪しい?」中小企業が騙されないための見分け方 2

「AI顧問が怪しい」と感じた中小企業経営者向け。詐欺・グレーゾーン・信頼できるの3段階を整理し、国税庁法人番号確認から事例ヒアリング・契約書チェックまで月3万〜30万円の費用帯ごとに判別する実践手順を解説する。

3

「AI顧問の費用対効果、どう判断すればいいか?」請求書処理が4時間から1時間に短縮できた場合など業務別の計算方法と、freeeなどへの入力時間をROIに換算する事前記録の整え方を解説する。

-事務代行・外注