事務代行・外注

ホームページ外注の費用相場と失敗しない選び方|10〜100万円【2026年版】

「ホームページを作ったのに、一向に問い合わせが来ない」

業務効率化に特化したエンジニアとして中小企業と関わってきた中で、こういう話を聞くことは珍しくない。費用をかけて外注したにもかかわらず、公開後に誰も見ていない、更新もできない、集客にも使えていない。制作会社は「完成しました」と言って終わりで、あとのフォローがない。

ホームページの外注費用を調べると、費用の早見表ばかりが出てくる。もちろん費用の目安は重要だが、それよりも先に確認すべきことがある。

この記事では、費用相場を整理したうえで、「作って終わり」にならないための実務的なポイントを解説する。

ホームページ外注の費用相場(依頼先別・目的別)

まず前提として、ホームページ制作の費用は依頼先によって大きく異なる。「制作費○万円〜」という表記は多いが、依頼先の種類を無視して比較しても意味がない。

依頼先別の費用目安

依頼先 初期制作費の目安 特徴
フリーランス 10万〜30万円 1人対応。価格は安いが担当者依存
中小制作会社 30万〜100万円 チーム対応。コストと品質のバランスが取りやすい
大手制作会社 100万円〜 大規模案件向け。中小企業には過剰なことが多い
ノーコードサービス(Wix等) 月額数千円〜(自社対応) 自社で作るツール。デザインの自由度は低い

10ページ前後のコーポレートサイトを想定すると、フリーランスで15〜25万円、中小制作会社で40〜80万円というのが現実的な相場だ。

大手制作会社は中小企業の依頼を受けないケースも多いし、受けたとしても100万円以上の費用を請求することが多い。従業員50人未満の中小企業なら、中小制作会社かフリーランスへの発注が現実的な選択肢になる。

目的別の費用目安

依頼先だけでなく、「何のためのサイトか」でも費用感が変わる。

目的 相場(中小制作会社依頼時) 特徴
名刺代わりのコーポレートサイト(5〜10ページ) 20〜60万円 会社概要・サービス・問い合わせのみ
ブログ機能付きコンテンツサイト 40〜80万円 CMS(WordPress等)の設定が必要
ECサイト(商品販売) 80万〜300万円 カート・決済機能の実装が必要
LP(ランディングページ)1枚 10万〜50万円 単ページ。広告との組み合わせが多い

LPは1ページだが、広告との組み合わせを前提にした設計が必要なため、単純なコーポレートサイトより単価が高くなることもある。LP制作の外注費用については別記事で詳しく解説している。

→ 関連: LP制作の外注費用はいくら?価格帯別にできることを整理する

費用に大きく影響する3つの要素

同じ「ホームページ制作」でも、以下の要素によって金額は大きく変わる。

1. ページ数

5ページと20ページでは制作費が倍以上になることも珍しくない。まずは「最低限必要なページ」を明確にしてから見積もりを取る。

最低限必要なページの例:

  • トップページ
  • 会社概要
  • サービス紹介(1〜2ページ)
  • 問い合わせフォーム

最初から「将来的に追加するかもしれないページ」を全部入れると費用が跳ね上がる。最初は小さく作り、必要に応じて追加するほうがコストを抑えやすい。

2. デザインのオーダー度

「テンプレートを使ったデザイン」と「一からデザインするフルオーダー」では制作費が2〜3倍変わる。

中小企業の場合、フルオーダーのデザインにこだわる必要があるケースは少ない。業種ごとに近いテンプレートを使いながらカスタマイズする方法でも、十分な品質のサイトを作れる。

3. 機能の有無

以下の機能が必要かどうかで費用が変わる。

機能 費用への影響
問い合わせフォーム 基本対応(追加費用なしが多い)
ブログ・更新機能(CMS) +5〜15万円(WordPress等の設定費)
予約システム +10〜30万円(オプション費用が発生)
会員機能・ログイン +50万円〜(システム開発の領域)

会員機能やECカートのような機能は、ホームページ制作ではなくシステム開発の領域になるため、費用が大幅に上がる。制作会社によっては対応できないケースもある。

「初期費用だけじゃない」見落としがちな維持コスト

ホームページの費用を考えるとき、初期制作費だけを比較している会社が多い。実際には、公開後も継続的なコストが発生する。

ドメイン・サーバー料(年間)

項目 年額目安
ドメイン取得・更新 1,500〜6,000円/年
レンタルサーバー 6,000〜30,000円/年

制作会社が「込み込みで月1万円」という提案をしてくることもあるが、その場合は契約期間や解約時のデータ移行条件を確認しておく必要がある。制作会社のサーバーにデータが乗っている状態で関係が終わると、サイトごと消える可能性がある。ドメインとサーバーは自社名義で契約しておくことが基本だ。

保守・月額管理費

公開後のサポートとして、月額の保守費を請求する制作会社がある。

月額目安 主なサービス内容
1〜2万円 セキュリティ対応、バックアップ、軽微な更新対応
3〜5万円 上記に加えて、定期的なコンテンツ更新や修正対応

保守契約は必須ではないが、WordPressを使っている場合はセキュリティの定期更新が必要になる。自社で対応できるなら保守費を払う必要はないが、「誰が管理するか」を決めていないと、気づいたらサイトが古いプラグインのまま放置されることになる。

コンテンツ制作費(SEO目的の場合)

制作会社が提示する費用には、SEO対策のコンテンツ部分が含まれていないことが多い。「SEO対策込み」という表現も、技術的な設定(メタタグの設定など)を指すだけで、検索流入を取るための記事コンテンツ制作は別途費用になるケースがほとんどだ。

ホームページを集客に使いたいなら、制作後のコンテンツ運用まで含めた予算を考えておく必要がある。「ホームページを作っても集客できない」と感じている場合、その原因はほとんどの場合コンテンツ不足にある。

→ 関連: ホームページを作ったのに集客できない原因と今すぐできる改善策

依頼先の選び方(向き・不向きの整理)

費用と確認ポイントを踏まえたうえで、依頼先の選び方を整理する。

フリーランスに向いているケース

  • 予算が20万円以下
  • デザインよりも「とにかく公開する」ことを優先したい
  • 知人や紹介で信頼できる人を探せている

フリーランスに依頼する場合は、「個人事業主として活動している実績が何年あるか」を確認することを勧める。開業したばかりのフリーランスは料金が安い代わりに、経験不足によるトラブルや連絡が取れなくなるリスクがある。

クラウドソーシング経由でフリーランスを探す方法もある。費用を抑えながら複数の候補から選べるが、品質のばらつきが大きいため、提案内容や過去実績を丁寧に確認する必要がある。

→ 関連: クラウドソーシング発注6ステップ|中小企業が失敗しない方法

中小制作会社に向いているケース

  • 予算が30万〜100万円程度
  • 公開後も継続的なサポートが欲しい
  • SEOや集客まで相談したい

中小制作会社を選ぶ場合の注意点は、「実績が自社の業種や規模と近いか」を確認することだ。飲食店のサイトを多く作っている会社に、BtoBのサービス業のサイトを依頼すると、テイストが合わないことがある。

また、見積もりが他社と比べて極端に安い会社は、テンプレートをそのまま使っているだけのケースが多い。初期費用が安くても、修正のたびに都度費用が発生する運用になっていることがある。

僕の意見:制作費より「その後」に予算を使うべき

業務効率化に特化したエンジニアとして、いくつかの会社のホームページ制作に関わった経験から言うと、制作費そのものより「公開後のコンテンツ運用」に予算を使ったほうが、集客の成果につながりやすいと思っている。

30万円かけてデザインを作り込むより、20万円で最低限のサイトを作って、残り10万円をコンテンツ制作やSEO対策に使ったほうが、6か月後の検索流入は圧倒的に多くなる。これは僕が実際に見てきた感覚だ。

中小企業のサイトが「おしゃれかどうか」より「見つかるかどうか」のほうが、ビジネスへの影響は大きい。

「作って終わり」を避けるための発注前チェックリスト

費用と同じくらい重要なのが、公開後に使えるサイトにするための設計だ。制作会社に発注する前に、以下を確認しておく。

チェック1: 自社でコンテンツを更新できるか

ホームページに掲載している情報は、時間が経つと古くなる。「採用情報」「お知らせ」「スタッフ紹介」といったページを更新するたびに制作会社に依頼していると、その都度費用が発生する。

回避策はシンプルで、CMSを使って構築してもらうことだ。CMSとは、WordPressに代表される、管理画面から文章や画像をノーコードで編集できる仕組みのことだ。「WordPressで構築する前提でお願いしたい」と伝えるだけで、公開後の更新を自社で完結できるようになる。

チェック2: SEOの基礎設計が含まれているか

デザインが綺麗でも、検索エンジンが正しく認識できない構造では、検索からの流入が取れない。発注前の打ち合わせで確認すべきポイントを挙げる。

  • ページタイトルとメタディスクリプションを設定できるか
  • モバイル対応(スマートフォンでの表示)は標準で対応しているか
  • サイトの読み込み速度を意識した構築になっているか

「SEO対策はオプションです」という制作会社は多いが、上記の技術的な基礎設定は追加費用なしで対応できる会社を選ぶのが妥当だ。

チェック3: 公開後の相談窓口があるか

制作が完了した後、「ページを1つ追加したい」「フォームの宛先を変えたい」といった軽微な修正が必ず発生する。そのときに連絡が取れる体制があるかを事前に確認しておく。

フリーランスに依頼した場合の注意点として、担当者の廃業や転職によって連絡が取れなくなるリスクがある。ドメインやサーバーの管理情報を自社で把握しておくこと、WordPressであればログイン情報を自社で保持しておくことが最低限の対策になる。

チェック4: 要件を先に整理しているか

外注で失敗する理由の多くは、要件定義が曖昧なまま発注することにある。「なんとなくいい感じにしてほしい」という依頼では、制作会社が出してきたものと期待にギャップが生まれやすい。

  • どんなページが必要か(ページリスト)
  • 誰が管理・更新するか
  • 問い合わせが来た後のフローはどうするか
  • 競合のサイトで参考になるものはあるか

この4点を事前に整理してから相見積もりを取ると、提案の質が上がりやすい。

→ 関連: 外注で失敗する中小企業の共通パターンと防ぎ方

現場で見た話:「作ったのに使えない」の典型パターン

業務効率化に特化したエンジニアとして関わった会社のなかに、ホームページ制作に50万円かけながら、2年後にはほぼ使われていないというケースがあった。

理由は3つあった。

1. 管理画面のパスワードを誰も把握していなかった

制作会社が管理していたが、担当者が退職して引き継ぎが消えた。問い合わせしても返答が遅く、更新できない状態が1年近く続いた。

2. スマートフォンで表示が崩れていた

数年前に作ったサイトで、スマホ対応がされていなかった。Google検索でのランキングが下がり、検索流入がほぼゼロになっていた。

3. 問い合わせフォームが機能していなかった

プラグインの更新漏れで、送信したはずのメールが届いていなかった。何件かの商談機会を逃していた可能性がある。

こうした状況は、決して珍しくない。制作費の安さだけで選んで、保守の仕組みを整えていないと、気づかないうちにサイトが「壊れた状態」で稼働し続ける。

ホームページ以外の集客手段との比較

ホームページを外注する前に、「そもそもホームページが最適な集客手段か」を確認しておくことも重要だ。

集客手段 初期費用 ランニングコスト 特徴
ホームページ(SEO) 20〜80万円 月2〜5万円(コンテンツ費) 中長期的に流入を積み上げられる
リスティング広告 設定費0〜5万円 月5〜50万円(広告費) 即効性あり、予算切れで止まる
SNS(Instagram/X) ほぼ0円 月の時間コスト BtoC向き、BtoBには合いにくい
業界マッチングサービス 月額0.5〜2万円 月額課金 特定業種では有効

ホームページのSEOは中長期投資であり、作ってすぐに検索流入が来るわけではない。一般的に検索エンジンに評価されるまで3〜6ヶ月かかる。この時間軸を理解したうえで、「今すぐ集客が必要か」「半年後に成果が出ればいいか」で判断することを勧める。

コンテンツマーケティングとして記事を継続的に公開し、検索流入を積み上げる方法については別記事で詳しく解説している。

→ 関連: 中小企業のコンテンツマーケティング【2026年版】|月0円からの始め方

補助金・助成金でホームページ制作費を抑える方法

中小企業がホームページを外注する場合、補助金を活用できるケースがある。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者(業種によって従業員数の定義が異なる)を対象とした補助金で、ホームページ制作費が対象経費に含まれることがある。補助率は2/3、通常枠の上限は50万円。ただし、販路開拓を目的とした取り組みであることが前提になるため、「ホームページ制作のみ」での申請は採択されにくいケースもある。

IT導入補助金

中小企業のITツール導入を支援する補助金。Webサイト関連のシステムも対象になることがあるが、単純な制作費ではなく業務プロセスの効率化につながるツール導入が基本的な対象となる。最新の対象経費や補助率は中小企業庁の公式ページで確認することを勧める(制度内容が年度ごとに変わるため)。

補助金は申請に手間がかかるうえ、採択率が100%ではない。補助金を前提にした発注スケジュールは組まないことが基本で、「採択されたら活用する」という位置づけで動くのが現実的だ。

まとめ:費用は「総コスト」で考える

ホームページの外注費用を比較するときは、初期制作費だけを見るのではなく、以下を含めたトータルコストで判断することを勧める。

  • 初期制作費(フリーランス: 10〜30万円 / 中小制作会社: 30〜100万円)
  • ドメイン・サーバー料(年間: 8,000〜36,000円程度)
  • 保守・管理費(月額: 1〜5万円 / 自社対応なら0円)
  • 更新・修正費(発生頻度と単価)
  • コンテンツ制作費(集客を目指すなら必須)

「作った後に自分たちで運用できるか」「SEO設計が含まれているか」「公開後に相談できる体制があるか」の3点を依頼前に確認しておくだけで、よくある失敗の大半は避けられる。

ホームページをどう活用するかは、業種や会社のフェーズによって異なる。「何のために作るか」を先に決めてから外注先を選ぶことが、最終的に費用対効果の高い選択につながる。

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