「ホームページを作ったのに問い合わせが来ない」「公開してから半年経つがアクセスが増えない」という状況は珍しくない。
こういった問題は「SEO対策が不十分」という言葉でひとまとめにされることが多いが、実際には段階が違う。
- Googleにサイトの存在を認識されていない
- 認識されているが、検索されていないキーワードしか狙えていない
- 検索からアクセスは来ているが、問い合わせにつながっていない
この3つは別々の問題で、解決策も異なる。原因の段階を特定せずに「コンテンツを増やす」「リニューアルする」という対策を打っても、的外れになることがある。
まず自社サイトがどの段階の問題を抱えているかを特定するところから始める必要がある。
ステップ1:GoogleがあなたのサイトをIndexしているか確認する
ホームページを公開しても、Googleがその存在を認識していなければ検索結果に表示されることは絶対にない。
まずGoogleの検索窓に次のコマンドを入力してほしい。
site:あなたのドメイン名
例えば site:example.co.jp と入力する。
結果が0件だった場合、GoogleはあなたのサイトをIndexしていない。この状態では、どれだけSEOに投資しても効果はゼロだ。
Indexされていない原因として多いケース
原因1:noindexが設定されたままになっている
制作会社が開発中のサイトを外部から見られないよう「noindex」という設定を入れることがある。公開後にその設定を外し忘れているケースが実際に起きている。
確認方法は、各ページのソースコードを開いて noindex という文字列を探すことだ。Chromeなら右クリック → 「ページのソースを表示」で確認できる。
原因2:Google Search Consoleを設定していない
Google Search Consoleは、GoogleにサイトのURLを伝えてクロール(巡回)を促すためのツールだ。設定していない場合、Googleがサイトを自然に発見するまでに時間がかかる。
設定方法はGoogleアカウントがあれば15分程度で完了する。自社サイトの管理を制作会社に任せている場合は「Google Search Consoleの設定をしてほしい」と一言伝えれば対応してもらえる。
原因3:公開直後で認識されていない
公開してから間もない場合、Googleがインデックスするまでに1〜2週間かかることがある。Search Consoleの「URL検査」機能で「インデックス登録をリクエスト」を実行すると、認識が早まる場合がある。
ステップ2:ターゲットのキーワードで検索結果に表示されているか確認する
Googleにインデックスされているにもかかわらずアクセスが来ない場合は、「検索結果に表示されていない」か「表示されているが誰も検索していないキーワード」のどちらかだ。
Search Consoleで「表示回数」を確認する
Google Search Consoleの「検索パフォーマンス」画面に「表示回数」という数字がある。これは、Googleで何かを検索したときにあなたのサイトが結果に表示された回数だ。
表示回数がほぼゼロの場合、そのサイトは検索結果にほとんど登場していない。
表示されない・クリックされない原因
原因1:各ページに「狙うキーワード」が設定されていない
多くのホームページは「会社概要」「事業内容」「お問い合わせ」という構成で作られている。これは会社案内としては機能するが、検索対策としてはほぼ機能しない。
「経理代行 費用 東京」で検索している人を集めたいなら、そのキーワードをタイトルに含んだページが必要だ。「会社概要」ページが「経理代行 費用 東京」で上位に出ることはまずない。ターゲットが検索するキーワードを意識したページが存在しなければ、そのキーワードで表示されることはない。
原因2:狙っているキーワードの競合が強すぎる
「業務効率化」「経理代行」「ホームページ制作」のような短いキーワードは、大手ポータルサイトや有名メディアが上位を占めている。ページ数が少ない中小企業サイトが、数万ページ規模の大手メディアと同じキーワードで競争しても、上位に入るのは難しい。
「経理代行 愛知 食品業」「製造業 経理 外注 20人以下」のように、地域・業種・規模を絞ったキーワードの方が競合は少ない。かつ、こうした具体的なキーワードで検索している人は、自社のターゲットに近い可能性が高い。
原因3:公開時から内容が更新されていない
Googleは定期的に更新されているサイトを積極的にクロールする傾向がある。公開時から何も変わっていないサイトは、時間が経つほど検索順位が下がりやすい。
ただし、単純に「月1回ブログを追加する」だけでは効果が出にくい。ターゲットが検索するキーワードに関連した内容を継続的に積み上げることが重要で、内容と関係なく更新頻度だけを上げても意味はない。
ステップ3:アクセスが来ているのに問い合わせにつながっていないか確認する
Search Consoleでアクセスがある程度来ているにもかかわらず問い合わせが来ない場合は、ページの内容か動線に問題がある。
GA4で確認する
GA4(Googleアナリティクス)を設定していれば、どのページがどれくらい見られているか、どのページで離脱されているかが分かる。
確認すべきポイント:
- トップページへのアクセスが多いが、その後他のページに移動していない
- 特定のページで滞在時間が極端に短い
- 問い合わせページへのアクセスがほぼゼロ
問い合わせにつながらないサイトによくある特徴
問い合わせ動線が見えにくい
ヘッダーに「お問い合わせ」ボタンがない、問い合わせページへの案内が記事の中にない、というサイトは実際に多い。興味を持って訪問した人が、問い合わせ方法が見つからずにそのまま離れてしまう。
問い合わせボタンは全ページのヘッダーに表示させる。これだけで問い合わせ率が変わるケースがある。
何をしている会社かトップページで分からない
トップページを開いて3秒で「この会社は何をしているか」が分からないサイトは、訪問者がすぐに離れる。
「お客様の笑顔のために」「信頼と実績で選ばれる」といった抽象的なキャッチコピーより、「従業員10〜50人の中小企業の経理を月3万円から代行します」のような一文の方が、3秒で伝わる。
費用の目安が書かれていない
外注や発注を検討している経営者が「費用が全く分からない会社には問い合わせしにくい」という状況はよく起きている。正確な金額でなくても「月3万円〜」「ご依頼内容により異なります(まずはご相談ください)」と書いてあるだけで、問い合わせのハードルが下がる。
3つの段階を整理して優先順位をつける
状況別に整理すると次のようになる。
| 現状 | 問題の段階 | 最初にやること |
|---|---|---|
site:ドメインで検索結果が0件 |
Googleに認識されていない | noindex確認・Search Console設定 |
| 表示回数はあるがクリックがほぼゼロ | タイトル・説明文が弱い | タイトルとmeta descriptionを改善 |
| クリックはあるが問い合わせが来ない | ページ内容・動線の問題 | 動線・料金・事業説明の見直し |
| 表示回数自体がゼロに近い | キーワード設定の問題 | 狙うキーワードを設定したページを作る |
一度に全部対処しようとすると、何も変わらないまま時間だけが過ぎる。今自分のサイトがどの段階の問題を抱えているかを確認して、そこから手をつけることが先決だ。
「制作会社に任せたから大丈夫」という思い込みについて
ホームページの制作を外注した場合、「SEO対策済みで納品」という説明を受けていることがある。ただし、「SEO対策済み」の内容は会社によって異なる。タイトルタグとmeta descriptionを設定しただけの場合もある。ターゲットが検索するキーワードを意識したコンテンツが1本もなくても、「技術的なSEO対策は実施しました」と言える。
制作会社に相談する前に、まずSearch ConsoleとGA4を自分で確認することをすすめる。そうすることで「どのページが問題か」「アクセスが来ていないのか、来ているが問い合わせにつながっていないのか」を具体的に把握できる。「集客できていない」とだけ伝えても、原因が特定されていなければ対応も的外れになりやすい。
まとめ
ホームページで集客できない原因は「SEO不足」というひとことでは片付かない。段階によって問題は異なる。
site:ドメイン名でGoogleへのインデックスを確認する- Search Consoleで表示回数・クリック数を確認する
- GA4でアクセスの状況と離脱箇所を確認する
この3つを確認するだけで、問題の所在がかなり絞り込める。何十万円かけてリニューアルする前に、まず現状把握から始めることをすすめる。
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