「サーチコンソールを設定してみたが、開いても数字が多すぎて何を見ればいいか分からない」
Web担当を本業のかたわら兼任している場合、SEOの専門知識なしにこのツールを使いこなすのは難しい。機能説明の記事を読んでも、「それ全部やる必要がある?」という量感になりがちだ。
この記事では、中小企業のWeb担当者が毎月15分で完了するサーチコンソール確認の方法に絞って解説する。全機能を理解することよりも、「何を見て、次に何をするか」を目的にしている。
サーチコンソールとGA4の違いをまず押さえる
GoogleアナリティクスGA4とサーチコンソールを混同している方は多い。それぞれ役割が異なる。
| サーチコンソール | GA4 | |
|---|---|---|
| 何を見るか | 検索結果での表示と評価 | サイト訪問後のユーザー行動 |
| タイミング | ユーザーが来る前 | ユーザーが来た後 |
| 主な指標 | クリック数・掲載順位・キーワード | セッション数・滞在時間・コンバージョン |
SEOを改善したいなら、まずサーチコンソールを確認するのが順番だ。「どのキーワードで何位に表示されているか」「クリックされているか」は、GA4では分からない。
サーチコンソールで「どんなキーワードで来ているか」を把握し、GA4で「来た後に何をしているか」を確認する。この2つを組み合わせて使うのが基本的な使い方だ。
初期設定:所有権確認の一番簡単な方法
Googleサーチコンソール にGoogleアカウントでアクセスして、プロパティ(サイト)を登録する。
プロパティの種類は2つある。
- ドメインプロパティ: www有り・無し、http・httpsなど全パターンを一括管理。DNS設定が必要でやや技術的。
- URLプレフィックス: 特定のURL配下を登録する。所有権確認の方法が複数選べる。
初めての方にはURLプレフィックスがシンプルだ。すでにGA4を設定済みの場合、所有権確認の方法として「Googleアナリティクス」を選ぶと、追加作業なしで確認が完了する。
注意:設定直後はデータが表示されない
登録後、検索パフォーマンスのデータが蓄積されるまで1〜2週間かかる。設定したばかりで「データがありません」と表示されても正常だ。焦らず1週間後にもう一度確認する。
毎月確認すべき3つのポイント
毎日確認する必要はない。月1回、以下の3つを順番に確認するだけで十分だ。
ポイント1:検索パフォーマンスの「クリック数推移」
左メニューの「検索パフォーマンス」を開く。折れ線グラフの上に「クリック数」「表示回数」「平均CTR」「平均掲載順位」の4つが表示されている。
まず見るのは「クリック数」の前月比だ。
グラフ右上の「日付を比較」から「前の期間」を選ぶと、前の1ヶ月との増減がパーセンテージで確認できる。増えていれば問題なし。20%以上の落ち込みがあれば、後述するカバレッジエラーを確認する。
期間の設定は「過去3ヶ月」がおすすめ
デフォルトの期間は3ヶ月になっている場合が多いが、「過去28日」に変更すると月ごとのトレンドが把握しやすくなる。特に季節変動がある業種は、「前の期間」ではなく「前年同期間」との比較も有効だ。
ポイント2:「8〜15位のキーワード」を探す
検索パフォーマンスの画面を下にスクロールすると、キーワード(クエリ)の一覧が出てくる。
このなかで「掲載順位が8〜15位」のキーワードを探す。
なぜ8〜15位に注目するのか
1〜3位の記事はGoogleが高く評価しており、短期間で逆転するのは難しい場合が多い。一方、8〜15位は「Googleが評価し始めているが、まだ上には来ていない」状態だ。この状態のキーワードを記事に反映させると、比較的短期間でクリック数が伸びやすい。
手順:
- クエリ一覧の列ヘッダー「掲載順位」をクリックしてソートする
- 8〜15位のキーワードを洗い出す
- そのキーワードが含まれているページを開く
- 見出しや本文の中にそのキーワードが自然な形で入っているか確認する
- 入っていなければ、内容に沿った形で加筆する
例えば「経理 外注 費用」というキーワードで13位に表示されているページがあった場合、そのページのh2見出しや文章の中にこの語句が含まれているか確認する。含まれていなければ、関連する見出しや説明に組み込む。
「表示回数が多いがクリックが少ない」キーワードも要確認
同じ一覧で「表示回数が100以上なのにクリック率が2%未満」のキーワードがあれば、タイトルがそのキーワードの検索意図にズレている可能性がある。そのページのタイトルタグを見直す検討をする。
ポイント3:カバレッジエラーを確認する
左メニューの「インデックス作成」→「ページ」を開く。
画面上部に「インデックス登録済み」「インデックス未登録」の件数が表示されている。右側の「インデックス未登録」タブをクリックして、「エラー」の件数を確認する。
エラーがあるページはGoogleに読まれていない。検索結果にも表示されない。
よくあるエラーと対処法:
| エラーの種類 | 主な原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| 送信されたURLがインデックスに登録されていません | noindexタグが設定されている | ページのmetaタグを確認する |
| クロール済み(インデックス未登録) | コンテンツが薄いとGoogleが判断 | 記事の文字数・内容を見直す |
| リダイレクトエラー | URL変更後の転送設定ミス | サーバーのリダイレクト設定を確認する |
| 404(見つかりません) | ページが削除または移動済み | URLが正しいか、削除したページの扱いを確認する |
まずは「エラー」タブだけ対処すればいい。「警告」や「除外」はその後で確認する。
記事を公開したらURLを送信する(URL検査)
新しい記事を公開した後、Googleに知らせる操作をすることで、検索インデックスへの反映が速まることがある。放置するとGoogleがクロールするまでに1〜2週間かかる場合もある。
手順:
- 左メニューの「URL検査」をクリック
- 公開したページのURLを入力してEnterキーを押す
- 「インデックス登録をリクエスト」ボタンをクリック
これだけだ。1ページあたり1〜2分の作業で完了する。
注意点として、リクエスト後すぐに検索結果に表示されるわけではない。Googleが実際にクロールするまでに数日かかるのが通常だ。送信後は気にせず次の作業に進む。
また、大幅に内容を更新した既存ページについても、同じ手順でURL送信することで再クロールを促せる。
よくある誤解3つ
誤解1:「全キーワードが見える」は間違い
サーチコンソールのクエリ一覧には、検索回数が少ないキーワードは表示されない。Googleのプライバシー保護の仕様だ。「他にどんなキーワードで来ているか分からない」と感じるのは正常で、全データが見えるわけではないと理解した上で使う。
誤解2:「今日公開した記事が今日反映される」は間違い
検索パフォーマンスのデータ自体は数時間ごとに更新されるが、新しく公開したページがGoogleにクロールされ、検索結果に表示されるまでには数日かかることが多い。公開翌日にクエリデータが増えていなくても正常だ。週1回まとめてデータを確認する習慣の方が合っている。
なお、2024年12月から「24時間ビュー」機能が追加されており、過去24時間のパフォーマンスをほぼリアルタイムで確認できるようになっている。直近の変化を見たい場合に活用できる。
誤解3:「短い期間のデータが最新情報」は間違い
1週間のデータより3ヶ月・12ヶ月のデータの方が、トレンドを正しく読める。特に検索ボリュームには季節変動があるため、前年同月との比較で「改善しているか」を判断する習慣をつけると、判断がブレにくくなる。
まとめ:月1回15分のチェックリスト
以下の4項目を月1回確認するだけで、サイトの検索状況を把握できる。
| 確認項目 | 場所 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| クリック数の前月比 | 検索パフォーマンス | 前月比−20%以上の落ち込みはカバレッジを確認 |
| 8〜15位のキーワード | 検索パフォーマンス > クエリ | 表示回数が多いものを記事の見出し・本文に反映 |
| カバレッジエラー | インデックス作成 > ページ | 赤いエラーがあれば原因を調査して対処 |
| 新記事のURL送信 | URL検査 | 記事公開のたびに実施 |
特別なSEO知識がなくても、「8〜15位のキーワードを拾って記事に反映させる」だけで、検索流入はじわじわ増えていく。毎日ツールを開く必要はない。月1回、この4項目を確認する習慣をつけるところから始めてほしい。