電話対応が本業の手を止める。中小企業でよくある場面だ。
商談の最中に電話が鳴る。資料を作っているときに「お問い合わせです」と声がかかる。出てみると営業電話だった。こういったことが重なると、電話対応に使っている時間と集中力の損失は無視できなくなる。
電話代行サービスはこの問題を解決できる選択肢のひとつだ。ただし、「月額○円〜」という料金表示だけでは実際のコストが分かりにくい。コール数の上限・初期費用・超過料金など、費用の構成を理解してから選ばないと、想定より割高になるケースがある。
この記事では、電話代行サービスの費用の内訳、料金帯の目安、主要サービスの比較、選ぶ際の判断基準を整理する。
電話代行サービスの費用の構成
電話代行の費用は、月額料金だけで判断すると実態と乖離することがある。以下の4つの要素を合算して総コストを把握する。
月額基本料金
最も一般的なのは「月○コールまで対応」という定額プランだ。月15〜30コール対応で5,000〜8,000円、月50コール対応で8,000〜10,000円程度が相場の目安になる。
コール数が少ないプランは月額が下がるが、着信が予想を超えると超過料金が積み上がる。自社の月間着信数を把握してから選ぶことが重要だ。
初期費用
サービスによって初期費用(アカウント設定費等)の有無が異なる。無料のサービスが増えてきたが、1〜3万円程度かかるサービスも存在する。スモールスタートで試したい場合は、初期費用が無料かどうかを先に確認する。
コールオーバー料(超過料金)
月額プランに含まれるコール数を超えた場合に、1コールあたり100〜200円の超過料金が発生するのが一般的だ。着信数が月によって変動しやすい業種は、コール数に余裕のあるプランを選んだ方が総コストが安定する。
24時間・休日対応の追加料金
基本プランは平日日中(9:00〜18:00)対応が中心だ。夜間・休日・24時間対応を追加すると月額が大幅に上がる。24時間対応プランは月数万円〜になるケースも多い。本当に夜間対応が必要かどうかを見極めてから判断する。
料金帯の目安
以下は平日日中対応を基本とした場合の料金帯の目安だ。
| 月額の目安 | 対応コール数の目安 | 向いている会社 |
|---|---|---|
| 5,000〜8,000円 | 月15〜30コール | 着信が少なく、まずコストを抑えて試したい |
| 8,000〜15,000円 | 月50コール前後 | 月に数十件の電話がある小規模な会社 |
| 15,000〜30,000円 | 月100コール前後 | 電話の着信が多め、または対応範囲を広げたい |
| 30,000円以上 | 月200コール以上 | コールが多く、カスタム対応が必要な会社 |
※夜間・24時間対応は別料金。上記は平日日中対応の目安。
主要サービスの比較
fondesk(フォンデスク)
シンプルな料金体系で始めやすいサービスだ。月額10,000円(税別)で50コールまで対応し、51コール目以降は1コール200円の従量課金となる。初期費用・オプション料金はなく、申し込みから最短即日で利用を開始できる。
Slack・Chatwork・Microsoft Teams・LINE等の主要チャットツールへの通知に対応しており、受電内容がテキストで自動送信される。受け取り側の手間が少ない点が実務で使いやすい。
料金概要(税別)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 月額基本料 | 10,000円(50コールまで含む) |
| 超過料金 | 1コールあたり200円 |
| 初期費用 | 無料 |
| 対応時間 | 平日・土日祝(一定時間帯) |
向いている会社: シンプルに始めたい。Slack・Chatwork等のツールとすぐに連携したい。月50コール前後の着信がある。
CUBE電話代行サービス
1991年創業の電話代行専門会社が運営するサービス。秘書検定・電話応対技能検定を持つスタッフが対応する点を差別化ポイントとしている。
プランの幅が広く、月15コールまでの最小プラン(月額7,000円・税別)から、コール数の多い会社向けのプランまで対応している。英語対応オプションや、LINE WORKS・Slack等への通知オプションも用意されている。
料金概要(税別)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 月額基本料 | 7,000円〜(プランによりコール数が異なる) |
| 超過料金 | プランごとに設定 |
| 初期費用 | 無料 |
| 対応時間 | 平日9:00〜18:00(プランによって異なる) |
向いている会社: 着信が少なく小さいプランから始めたい。オペレーターの応対品質を重視したい。英語対応が必要な場面がある。
BusinessCall(ビジネスコール)
必要な時間帯・曜日を30分単位で指定して依頼できる柔軟な料金設計が特徴だ。「月〜金の9〜12時だけ」「特定の曜日だけ」といった設定が可能で、フルプランが不要な会社のコストを抑えやすい。
向いている会社: 電話が集中する時間帯が特定できている。全時間帯をカバーする必要はなく、ピーク時間帯だけ対応を外注したい。
サービス比較一覧
| サービス | 月額(税別) | 含まれるコール数 | 初期費用 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
| fondesk | 10,000円 | 50コール | 無料 | シンプル・即日開始・チャット通知 |
| CUBE | 7,000円〜 | プランによる | 無料 | 小プランあり・英語対応・対応品質重視 |
| BusinessCall | 従量制 | 時間帯指定 | — | 必要な時間帯・曜日だけ指定可能 |
※2026年4月時点の情報。最新の料金・プラン内容は各社公式サイトで確認すること。
電話代行が効果的な状況・そうでない状況
効果的な状況
- 外出・商談中に電話が取れず、折り返し対応が後手に回っている
- 少人数で電話番を固定できず、業務が中断されやすい
- 営業電話への一次対応だけでも外注したい
- 一人会社・スタートアップで電話対応の体制がない
効果が出にくい状況
- 業界特有の専門用語や詳細な業務知識が必要な問い合わせが多い(即答できず折り返しが増える)
- 電話の内容に応じてその場で判断・対応しなければならない業務
- 問い合わせの大半が「担当者を直接指名する電話」で一次対応に価値が出にくい
電話代行は「一次対応と内容の記録」には強いが、「専門的な問い合わせへの即答」には向かない。自社の着信内容のうち、一次対応だけで完結するものがどの程度あるかを見積もってから導入を検討する。
導入時に注意すること
コール数を事前に把握する
月間の着信数が読めないまま契約すると、超過料金が想定外に積み上がるケースがある。まず1〜2週間、着信数を手動で記録してから適したプランを選ぶ。月のばらつきが大きい場合は、コール数に余裕を持ったプランか従量制を選ぶ方が安定しやすい。
折り返し対応の体制を並行して整える
シンプルな電話代行プランは「受けて内容を記録・通知する」ことが基本だ。顧客が折り返し待ちになるケースが増えると、対応品質の低下に見える場合がある。受電後に誰が・いつ・どのように折り返すかのルールを決めておく。
まずトライアルで確認する
多くのサービスで無料トライアルや初月無料のプランを設けている。長期契約をする前に、受電内容の通知形式・オペレーターの応対・チャットツールとの連携などを実際に確認してから判断する。
まとめ
電話代行サービスの費用は、平日日中対応で月5,000〜3万円程度が相場だ。初期費用・コールオーバー料・夜間対応の追加料金を含めた総額で比較することが重要になる。
選び方の目安を整理すると以下のようになる。
- シンプルに始めたい・月50コール前後 → fondesk(月額10,000円・税別、即日開始)
- 着信が少なく小さいプランから試したい・応対品質を重視したい → CUBE電話代行(月額7,000円〜・税別)
- 特定の時間帯だけ対応を外注したい → BusinessCall(時間帯指定の従量制)
まず月間の着信数と対応時間帯を把握し、トライアルで使い勝手を確認してから本契約に移るのが現実的な手順だ。
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