事務代行・外注

中小企業の電話代行サービス費用相場|月額料金と選び方を解説

著者:野原琉海(業務効率化に特化したエンジニア)

電話対応が業務を止める。中小企業でよくある場面だ。

商談の最中に電話が鳴る。資料作成の集中が途切れる。折り返してみると営業電話だった、というパターンを繰り返している経営者は多い。電話対応そのものに使う時間よりも、集中が戻るまでの15〜20分の方が損失として大きいことが少なくない。

電話代行サービスは、この問題に対する現実的な選択肢だ。ただし、「月額○円〜」という表示だけで選ぶと実際のコストと大きくズレることがある。月額基本料・初期費用・コールオーバー料・夜間対応オプションを合算して初めて総コストが見えてくる。

この記事では、費用の内訳から主要サービスの料金比較、選ぶ際の判断軸、導入で気をつけること、業務効率化の観点から見た失敗パターンまでを整理する。

電話代行サービスの費用構成:4つの料金要素

電話代行の費用は、月額料金だけで判断すると実態と乖離することがある。以下の4つの要素を合算して総コストを把握することが基本だ。

月額基本料金

最も一般的なのは「月○コールまで対応」という定額プランだ。月15〜30コールまで対応で月5,000〜8,000円程度、月50コールで月10,000円前後、月100コールで月15,000〜25,000円前後が相場の目安になる。

コール数が少ないプランは月額が下がるが、着信が予想を超えると超過料金が積み上がる。自社の月間着信数を把握してから選ぶことが重要だ。

初期費用

サービスによって初期費用(アカウント設定費・転送設定費等)の有無が異なる。初期費用が無料のサービスが増えているが、10,000〜30,000円程度かかるサービスも存在する。スモールスタートで試したい場合は、初期費用が無料かどうかを先に確認する。

コールオーバー料(超過料金)

月額プランに含まれるコール数を超えた場合に、1コールあたり100〜200円の超過料金が発生するのが一般的だ。着信数が月によって変動しやすい業種(繁閑の差が大きい飲食・小売・イベント業等)は、コール数に余裕のあるプランを選んだ方が総コストが安定しやすい。

月15コールのプランで実際には月30コール着信した場合、超過料金だけで1,500〜3,000円の追加が発生する計算になる。年間にすると18,000〜36,000円の差になり、「安いプランを選んだつもりが割高だった」という結果になりやすい。

夜間・休日・24時間対応オプション

基本プランは平日日中(9:00〜18:00)対応が中心だ。夜間・土日祝・24時間対応を追加すると月額が大幅に上がる。24時間365日対応のプランは月40,000〜80,000円前後になるケースが多い。

本当に夜間対応が必要か、それとも翌朝の折り返しで対応できるかを見極めてから判断する。「あると安心」という理由だけで24時間対応を選ぶと、コストパフォーマンスが大幅に下がる。

料金帯と対応コール数の目安

平日日中対応を基本とした場合の料金帯の目安を整理する。

月額の目安(税別) 対応コール数の目安 向いている会社の状況
5,000〜8,000円 月15〜30コール 着信が少なく、コストを抑えて試したい1〜5人規模の会社
8,000〜15,000円 月50コール前後 月に数十件の電話がある小規模な会社
15,000〜30,000円 月100コール前後 電話の着信が多め、または対応範囲を広げたい会社
30,000円以上 月200コール以上 コールが多く、カスタム対応・英語対応が必要な会社
40,000〜80,000円以上 24時間・土日祝対応 クリニック・緊急対応が必要な業種

※いずれも平日日中基本対応の参考値。夜間・24時間対応は別料金。超過料金の発生状況によって総コストは変動する。

主要サービスの料金比較(3サービス)

電話代行の代表的なサービスを料金・コール数・初期費用・特徴で比較する。

サービス名 月額基本料(税別) 含まれるコール数 初期費用 超過料金 主な特徴
fondesk 10,000円 50コール 無料 200円/コール シンプル設計・最短10分で開始・主要チャットツール通知
CUBE電話代行 7,000円〜 プランによる(最小15コール〜) 無料 プランごとに設定 小プランあり・英語対応・対応品質重視・継続率99.2%(公式発表)
BusinessCall 従量制 時間帯・曜日を30分単位で指定 必要な時間帯だけ絞って依頼可能

※2026年時点の情報。最新の料金・プラン内容は各社公式サイトで確認すること。

主要サービスの詳細解説

fondesk(フォンデスク)

シンプルな料金体系で始めやすいのがfondeskの特徴だ。月額10,000円(税別)で50コールまで対応し、51コール目以降は1コール200円の従量課金になる。初期費用は無料で、申し込みから最短10分でサービスを開始できる。

Slack・Chatwork・Microsoft Teams・LINE・LINE WORKS・Google Chatなど主要チャットツールへの通知に対応しており、受電内容がテキストで自動送信される。「受けて記録する」だけのシンプルな使い方なら、このサービスで十分な会社が多い。

fondeskの料金詳細(税別)

項目 内容
月額基本料 10,000円(50コールまで含む)
超過料金 1コールあたり200円
初期費用 無料
対応時間 平日・土日祝(一定時間帯、最新は公式サイトで確認)

向いている会社: Slack・Chatworkに通知を受け取りたい。手続きを簡単にしたい。月50コール前後の着信がある。

CUBE電話代行サービス

1991年創業の電話代行専門会社が運営するサービスだ。秘書検定・電話応対技能検定を保有するスタッフが対応しており、継続率は99.2%(CUBE公式)とされている。

プランの幅が広く、月15コールまでの最小プランから、コール数の多い会社向けのプランまで対応している。最小プランは月額7,000円(税別)から始められる。英語対応オプションや、LINE WORKS・Slack等への通知オプションも用意されている。

向いている会社: 着信が少なく小さいプランから試したい。オペレーターの応対品質を重視したい。海外取引先からの英語の電話がある。

BusinessCall(ビジネスコール)

必要な時間帯・曜日を30分単位で指定して依頼できる柔軟な料金設計が特徴だ。「月〜金の9〜12時だけ」「特定の曜日だけ」といった設定が可能で、全時間帯をカバーする必要がない会社のコストを抑えやすい。

電話が集中する時間帯が特定できている会社に適している。繁忙期だけ時間帯を広げるといった使い方もできる。

向いている会社: 電話が特定の時間帯に集中している。全時間帯をカバーする必要はなく、ピーク時間帯だけを外注したい。

電話代行が向いている会社・向いていない会社

電話代行を導入しても費用対効果が出る会社と、出にくい会社がある。導入前に自社がどちらかを見極めることが重要だ。

向いている状況

  • 外出・商談中に電話が取れず、折り返し対応が後手に回っている
  • 少人数(1〜10人規模)で電話番を固定できず、業務が頻繁に中断される
  • 営業電話への一次対応だけでも外注したい
  • 一人会社・スタートアップで電話対応の体制がない
  • 電話の着信内容のうち「担当者不在でも後で折り返せば問題ない」ものが多い

向いていない状況

  • 業界特有の専門用語や詳細な業務知識が必要な問い合わせが多い(即答できず折り返しが増える)
  • 電話の内容に応じてその場で判断・即対応しなければならない業務
  • 問い合わせの大半が「特定の担当者を指名する電話」で、一次対応に価値が出にくい
  • 1日の着信数が5件以下で、現状でも対応に支障が出ていない

電話代行は「一次対応と内容の記録」には強いが、「専門的な問い合わせへの即答」には向かない。自社の着信内容のうち、一次対応だけで完結するものがどの程度あるかを見積もってから判断する。

電話代行ではカバーしきれない幅広いバックオフィス業務を外注したい場合は、バックオフィス代行費用|月3万円〜の外注で失敗しない選び方【2026年版】 も参考にしてほしい。

導入前に確認すること3点

1. 月間コール数を事前に把握する

月間の着信数が読めないまま契約すると、超過料金が想定外に積み上がるケースがある。まず1〜2週間、着信数を手動で記録してから適したプランを選ぶ。月のばらつきが大きい場合は、コール数に余裕のあるプランか従量制を選んだ方が総コストが安定しやすい。

「着信数がそもそも分からない」という場合は、まずトライアルを使って実績を把握することを優先する。

2. 折り返し対応の体制を並行して整える

シンプルな電話代行プランは「受けて内容を記録・通知する」ことが基本だ。顧客が折り返し待ちになるケースが増えると、対応品質の低下として見られる場合がある。受電後に「誰が・いつ・どのように折り返すか」のルールを先に決めておく。

電話代行を導入する前に、折り返しの担当者と返電の目標時間(例: 当日17時まで・翌朝10時まで等)を設定しておくことが実務的な準備になる。

3. トライアルで使い勝手を確認してから本契約する

主要なサービスで無料トライアルや初月無料のプランを設けている。長期契約をする前に、受電内容の通知形式・オペレーターの応対・チャットツールとの連携などを実際に確認してから判断する。

「通知の形式が自社のSlackの使い方と合わない」「オペレーターの受け答えが業種に合わない」といった問題は、トライアルで事前に発見できる。

業務効率化に特化したエンジニアが見てきた、失敗と成功のパターン

僕がエンジニアとして関わってきた中小企業の中には、電話対応に強いこだわりを持っている経営者が一定数いる。「電話を外注したら顧客に失礼ではないか」という懸念を持つ方も多い。

ただ、実際に導入した会社の話を聞くと、むしろ顧客からの評価が上がるケースが多い。理由は単純で、「担当者が不在でも内容を正確に記録して折り返してくれる」方が、電話が繋がらずそのまま切れるよりも印象が良いからだ。担当者が不在の際に「伝言を正確に受け取ってもらえた」という体験は、信頼につながる。

一方で、失敗するパターンも見てきた。よくあるのが「コール数を把握せずに最安プランで契約して、初月から超過料金が発生する」ケースだ。月15コールのプランで月30コール着信すれば、超過料金だけで追加コストが積み上がる。契約前に自社の着信数を把握することがどれだけ大事かは、ここに集約される。

もう一つは「折り返し体制を整えずに導入して、顧客から『折り返しが遅い』と言われる」パターンだ。電話代行は受けるところまでしか対応しない。折り返しのルールを社内で先に決めていない会社は、導入後に想定外のクレームが起きやすい。

電話代行を業務改善の手段として使うなら、「電話対応の一次受けを外注する」という整理が正確だ。全部が解決するわけではなく、折り返しの体制は自社で整える必要がある。この点を理解してから導入すると、コストパフォーマンスが大幅に上がる。

電話代行と合わせて、事務パートの採用や他の外注方法と比較して判断したい場合は、事務パート採用vs外注コスト比較|月9〜10万円の実態と判断基準【2026年版】 を参考にしてほしい。

電話代行の他にも、問い合わせフォームへの誘導やFAQページの整備を組み合わせると、電話着信そのものの件数を減らせる。電話代行のコストを抑えながら、実質的な対応負荷を下げる方向性だ。「受ける体制を整える」だけでなく、「着信を減らす仕組みを作る」アプローチも選択肢に入れておくと良い。

まとめ:電話代行の選び方と判断基準

電話代行サービスの費用は、平日日中対応で月5,000〜30,000円程度が相場だ。初期費用・コールオーバー料・夜間対応の追加料金を含めた総額で比較することが重要になる。

選び方の目安を整理すると以下のようになる。

状況・優先軸 選択の方向性
シンプルに始めたい・月50コール前後 fondesk(月額10,000円・税別、最短10分で開始)
着信が少なく小さいプランから試したい・応対品質重視 CUBE電話代行(月額7,000円〜・税別、継続率99.2%)
特定の時間帯だけ外注したい BusinessCall(30分単位で時間帯指定の従量制)
コストを抑えつつ試したい 初期費用無料のサービスでトライアルから

まず月間の着信数と対応時間帯を把握し、トライアルで使い勝手を確認してから本契約に移るのが現実的な手順だ。折り返し体制の整備と合わせて進めることで、導入後のトラブルを大幅に減らせる。

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