「業務効率化したいが、何から始めればいいか分からない」という経営者は多い。ツールが多すぎて選べない、ITが苦手で導入のハードルが高い——これが動けない理由の大半だ。
この記事では、バックオフィスの業務効率化に直結するツールを目的別に10選整理する。各ツールの費用・特徴・向いている会社規模を合わせて記載した。
選び方の前提:最初に目的を決める
ツールを先に選ぶと失敗する。「何に困っているか」を先に決めてからツールを選ぶ。
| 困っていること | 最初に導入すべきツール |
|---|---|
| 仕訳入力・記帳に時間がかかる | 会計ソフト(freee・マネーフォワード) |
| 経費精算の処理が面倒 | 経費精算ツール(楽楽精算・マネーフォワード経費) |
| 給与計算のミスが多い・時間がかかる | 給与計算ソフト(freee人事労務・マネーフォワード給与) |
| 勤怠管理が紙やExcel | 勤怠管理ツール(ジョブカン・TimeTracker NX) |
| 請求書の発行・管理が手動 | 請求書ツール(freee・マネーフォワード・MFクラウド請求書) |
「全部効率化したい」と思っても、最初から全て入れようとすると失敗する。困っている度合いが高いものから1つずつ導入する。
経理・会計ツール(2選)
1. freee会計
特徴: 操作がシンプルで、会計知識が少ない経営者・担当者でも使いやすい。銀行・クレジットカードとの自動連携で、明細が自動で取り込まれる。スマートフォンアプリからも操作できる。
向いている会社: 会計ソフトを初めて導入する・経理担当者が簡単に使えるものを探している
費用: スターター(月1,980円)〜スタンダード(月3,278円)〜プレミアム(月5,978円)
選ぶポイント: 税理士がfreeeユーザーの場合、データ共有がスムーズになる。顧問税理士が使っているソフトに合わせる選択肢もある。
2. マネーフォワード クラウド会計
特徴: 銀行・クレジット・電子マネー・POSレジ・勤怠管理など、外部サービスとの連携数が多い。freeeと並ぶ2強の一つ。
向いている会社: 既にマネーフォワードの他のサービス(給与・経費・請求書)を使っている・連携できるサービスを増やしたい
費用: スモールビジネス(月3,278円)〜ビジネス(月5,478円)
経費精算ツール(2選)
3. 楽楽精算
特徴: 経費精算に特化したツール。スマートフォンで領収書を撮影して申請でき、承認フローをシステム内で完結できる。会計ソフトへのデータ連携も可能。
向いている会社: 従業員が多く経費精算の処理件数が多い・紙の領収書管理をなくしたい
費用: 月40,000円〜(10名規模の場合)
注意: 小規模(10名以下)には割高になりやすい。
4. マネーフォワード クラウド経費
特徴: マネーフォワードの経費精算ツール。会計・給与・請求書との連携が強い。OCR機能で領収書の自動読取が可能。
向いている会社: マネーフォワード会計を使っている・従業員10名前後の規模
費用: 月2,178円〜(従業員数による)
給与計算・人事ツール(2選)
5. freee人事労務
特徴: 給与計算・勤怠管理・年末調整を一元管理できる。法改正(最低賃金・社会保険料率)への自動対応が強み。freee会計との連携で、給与仕訳の自動転記も可能。
向いている会社: freee会計を使っている・給与計算を今より楽にしたい
費用: 月2,398円〜
6. ジョブカン給与計算
特徴: ジョブカンシリーズ(勤怠・給与・採用)との連携が強い。勤怠データが自動で給与計算に反映される。
向いている会社: 勤怠管理と給与計算を同じサービスで統一したい
費用: 月200円/人〜(最低5名から)
勤怠管理ツール(1選)
7. ジョブカン勤怠管理
特徴: スマートフォン・タブレット・ICカードでの打刻に対応。シフト管理・残業アラート・有給管理も可能。
向いている会社: タイムカードやExcelで勤怠管理している・残業管理を楽にしたい
費用: 月200円/人〜
請求書・受発注ツール(2選)
8. マネーフォワード クラウド請求書
特徴: 請求書の作成・送付・入金確認を一元管理できる。インボイス制度(適格請求書)への対応も標準搭載。会計ソフトへの自動連携で仕訳入力が不要になる。
向いている会社: 請求書の発行件数が多い・マネーフォワード会計を使っている
費用: 月1,078円〜
9. freee請求書(旧MISOCA)
特徴: シンプルな操作で請求書・見積書・納品書を作成できる。freee会計との連携で売上仕訳が自動で作成される。
向いている会社: freee会計を使っている・請求書発行を簡単にしたい
費用: 月1,078円〜
ドキュメント・社内情報共有ツール(1選)
10. Notion
特徴: データベース・ドキュメント・タスク管理を1つで行えるツール。社内マニュアル・FAQ・業務手順書の管理に向いている。AIアシスタント機能(Notion AI)で文書の下書き生成も可能。
向いている会社: 社内のドキュメントがバラバラで管理できていない・経理マニュアルを作りたい
費用: 無料プラン〜月8ドル(Plusプラン)
ツール選定の失敗パターン3つ
失敗1: 機能が多いものを選ぶ
機能が多いツールは使いこなせないまま放置されることが多い。「今困っている1つの問題を解決する」機能があれば十分だ。
失敗2: 既存のフローを変えずに導入しようとする
ツールを導入する際、既存の業務フローを変えなければ効果が出ない。「ツールが既存フローに合わせてくれる」ではなく「ツールに合わせて業務フローを変える」という考え方が必要だ。
失敗3: 担当者に「試してみて」と丸投げする
担当者が使いこなせないと「使われないツール」になる。最初の2週間は経営者も一緒に操作を確認し、使い方を定着させる時間を作る。
まとめ
中小企業のバックオフィス効率化ツールをまとめると以下のとおりだ。
| カテゴリ | おすすめツール | 月額費用 |
|---|---|---|
| 会計ソフト | freee / マネーフォワード | 2,000〜5,000円 |
| 経費精算 | 楽楽精算 / MFクラウド経費 | 2,000〜4万円 |
| 給与計算 | freee人事労務 / ジョブカン | 2,000〜3,000円 |
| 勤怠管理 | ジョブカン勤怠 | 200円/人 |
| 請求書 | MFクラウド請求書 / freee請求書 | 1,000〜2,000円 |
| ドキュメント | Notion | 無料〜800円/人 |
全部導入すると月1〜3万円程度。正社員1名の採用より大幅に安く、いつでも止められるリスクの低さも魅力だ。
まず「最も困っている業務」を1つ選んで、そこからツールを入れてみる。それだけで業務時間が月数時間は変わる。
ツールの導入だけでなく、外注という選択肢も合わせて検討している場合はこちらを参照してほしい。