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経理が突然辞めた!中小企業の経営者がまずやるべき5つのこと

「経理が来月いっぱいで辞めると言い出した」「引き継ぎもないまま急にいなくなった」

従業員10〜20人規模の会社でこれが起きると、影響は想像以上に大きい。給与の振込、取引先への支払い、税務申告——これらが止まると、会社の信用に直接傷がつく。

この記事では、経理担当者が突然退職した場合にまず何をすべきか、優先順位をつけて解説する。採用・外注・社内対応のどれを選ぶべきかの判断基準も合わせて紹介する。

放置したときに起きること

まず、何もしないと何が起きるかを整理する。

給与未払い・遅延

給与計算を担当していた人間がいなくなると、翌月の給与振込が止まる可能性がある。法律上、給与の支払い遅延は労働基準法違反になる。

取引先への支払い遅延

請求書の受取・確認・振込を一人でやっていた場合、業務が止まった瞬間から支払いが滞る。取引先との関係が悪化するリスクがある。

税務申告の遅れ

法人税・消費税・源泉所得税には法定の期限がある。期限を過ぎると延滞税や加算税が発生する。「担当者が辞めたから」は理由にならない。

銀行融資への影響

決算書が出せない、税務申告が遅れるといった状態が続くと、金融機関からの信用に影響する場合がある。

まずやるべき5つのこと

1. 今日中に:ログイン情報と取引先情報を確保する

経理担当者がまだ在籍しているなら、退職前に以下を必ず受け取る。

  • 会計ソフトのID・パスワード(freee、マネーフォワード等)
  • インターネットバンキングのログイン情報
  • 取引先ごとの請求書の送付先・締め日・支払い方法
  • 給与計算ソフトのデータ
  • 社会保険・労働保険の手続き先と担当者名
  • 顧問税理士の連絡先

すでに退職済みで連絡が取れない場合は、会計ソフトの管理者権限でデータを確認する。データがない場合は税理士に相談することで、過去の記帳データから業務状況を復元できる場合がある。

セキュリティ対応も忘れずに

退職後はすぐにインターネットバンキングのパスワードを変更する。経理担当者が個人のメールで取引先と連絡していた場合、引き継ぎが漏れる可能性がある。

2. 今週中に:直近の支払い・締め日カレンダーを確認する

「何がいつ必要か」を一覧にする。優先度の高い業務から順に押さえる。

業務 確認ポイント
給与計算 締め日・計算ルール・振込先銀行
取引先への支払い 各社の締め日・支払い期日・振込先
社会保険料の納付 毎月の納付期日(翌月末が多い)
源泉所得税の納付 毎月10日または半年ごと(納期の特例)
消費税申告 申告期限(法人は決算後2ヶ月以内)
法人税申告 申告期限(決算後2ヶ月以内)

この一覧を作るだけで、何を誰がいつまでにやるべきかが明確になる。

3. 1〜2週間以内に:社内で一時的な体制を組む

外部への依頼が決まるまでの間、社内で最低限の対応をする必要がある。

社内兼務の現実的なやり方

  • 管理部門がある場合:総務担当者が経理の基本業務(振込・請求書管理)を一時的に担う
  • 管理部門がない場合:経営者自身が対応する(期間を決めて)

重要なのは「誰が何をいつまでやるか」を決めること。役割が曖昧なまま進めると、二重対応や漏れが生まれる。

会計ソフトがfreeeやマネーフォワードのようなクラウド型であれば、経験のない社員でも基本的な入力・確認ができる。使い方が分からない場合はソフトのサポートに問い合わせると対応してもらえる。

4. 1ヶ月以内に:税理士または経理代行に相談する

社内で完結させようとすると、本来の業務に影響が出る。外部に任せる選択肢を早めに検討する。

税理士に依頼する場合

すでに顧問税理士がいる場合は、まず連絡する。記帳代行を追加で依頼できるケースが多い。費用は取引件数によるが、月額1〜3万円が目安(100仕訳程度まで)。

経理代行に依頼する場合

顧問税理士がいない、または経理業務全般を任せたい場合は経理代行サービスを検討する。

依頼内容 月額費用の目安
記帳のみ 1万〜3万円
給与計算のみ(10名) 1万〜2万円
記帳+給与計算 3万〜6万円
経理業務フルアウトソーシング 5万〜15万円

※取引件数・従業員数・業務内容によって変わる。

経理代行の場合、引き継ぎなしでも受けてくれるサービスが多い。「担当者が突然辞めた」という状況での問い合わせは珍しくないため、緊急対応に慣れた業者を選ぶと安心できる。

5. 3ヶ月以内に:属人化を解消する仕組みを作る

今回の問題の根本原因は、経理業務が特定の一人に集中していたことにある。同じことを繰り返さないために、以下を整備する。

業務マニュアルの作成

「誰でも回せる」状態にするための手順書を作る。毎月のルーティン(何日に何をするか)をリストにするだけで十分。

クラウド会計ソフトへの移行

紙やExcelで管理していた場合は、クラウド型の会計ソフトへ移行することで情報共有がしやすくなる。freeeやマネーフォワード クラウド会計は月額1,500〜5,000円程度から使える。

経理担当者が複数いる体制、または外注との分担

一人経理のリスクは「その人が辞めたら終わる」という構造そのものにある。外注と内製を組み合わせることで、退職時のダメージを最小化できる。

採用・外注・兼務、どれを選ぶべきか

急場をしのいだ後、どう体制を整えるかの判断基準を示す。

選択肢 向いている状況 月額コスト目安
正社員採用 月次・年次の経理業務量が多い(月200時間超) 25万〜35万円(人件費+社保)
パート採用 業務量が限定的(月40〜80時間程度) 8万〜15万円
経理代行・外注 業務量は少ないが専門性が必要 3万〜10万円
社内兼務 他の社員に余裕がある場合の一時対応のみ 追加コストなし(品質リスクあり)

従業員20人以下の会社では、専任の経理を採用するよりも外注のほうがコストを抑えられるケースが多い。採用にかかる求人費用(30〜50万円)と試用期間を考えると、外注で安定させてから採用を検討する順序が合理的だ。

まとめ:今日動けば、1ヶ月で安定する

経理担当者の突然退職は、対応が遅れるほど損失が拡大する。ただし、正しい順序で動けば1ヶ月以内に安定した体制を作ることができる。

今日やること

  • ログイン情報・取引先情報を確保する

今週やること

  • 支払い・締め日カレンダーを作成し、担当者を仮決めする

1ヶ月以内にやること

  • 税理士または経理代行に相談し、外部委託の体制を整える

3ヶ月以内にやること

  • 業務マニュアルを作成し、属人化を解消する

「まず外注で安定させてから、採用を検討する」という順序が、スピードとコストの両面でバランスがとれている。

経理業務の外注について詳しく知りたい方は、経理代行の費用を実例で公開|従業員規模別の月額料金まとめもあわせてご覧ください。

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