「経理を外注したいが、いくらかかるか分からない」
この一言で外注の検討が止まっている経営者は少なくない。経理代行は業務内容や会社規模によって料金が変わるため、相場感を掴みにくい。
この記事では、従業員規模別に経理代行の費用を具体的な金額で公開する。正社員を採用した場合との比較も合わせて整理した。
経理代行の費用は「業務ごとの積み上げ」で決まる
経理代行の料金は、一つの定額パッケージではなく、委託する業務ごとに積み上がる構造になっている。
| 業務 | 料金の基準 | 月額目安 |
|---|---|---|
| 記帳代行(入力・仕訳) | 仕訳件数 | 1万〜4万円 |
| 給与計算 | 従業員数 | 8,000〜3万円 |
| 請求書の発行・管理 | 件数 | 3,000〜1万円 |
| 支払い処理(振込代行) | 件数・金額 | 5,000〜2万円 |
| 月次試算表の作成 | 固定 | 1万〜3万円 |
| 決算書の作成 | 年1回 | 5万〜20万円 |
| 社会保険手続き | 手続きごと | 5,000〜1万円/件 |
この中から必要な業務を組み合わせることで、自社の実際のコストが決まる。
従業員規模別の費用実例
従業員5人以下の会社
月間の取引件数が少なく、給与計算も小規模なケース。最も費用を抑えられる。
委託業務の想定
- 記帳代行(月50〜80仕訳)
- 給与計算(5名分)
月額費用の目安
| 業務 | 月額費用 |
|---|---|
| 記帳代行 | 5,000〜1万円 |
| 給与計算(5名) | 5,000〜1万円 |
| 合計 | 1万〜2万円 |
この規模では、月1〜2万円で経理業務の大半を外注できる。決算書の作成は税理士に年1回依頼する形が一般的で、別途5〜15万円がかかる。
従業員10〜15人の会社
仕訳件数が月100〜200件程度に増え、給与計算の手間も増える。社会保険の手続きや有給管理が加わることが多い。
委託業務の想定
- 記帳代行(月100〜150仕訳)
- 給与計算(12名分)
- 月次試算表の作成
月額費用の目安
| 業務 | 月額費用 |
|---|---|
| 記帳代行 | 1万〜2万円 |
| 給与計算(12名) | 1.2万〜2.5万円 |
| 月次試算表 | 1万〜2万円 |
| 合計 | 3万〜6万円 |
この規模が、中小企業で最も多いパターン。月3〜6万円で専門家に任せられる。
従業員20〜30人の会社
月の仕訳件数が200〜400件以上になり、請求書の管理や支払い処理の量も増える。経理業務をほぼフルアウトソーシングするケースも出てくる。
委託業務の想定
- 記帳代行(月200〜400仕訳)
- 給与計算(25名分)
- 請求書の発行・管理
- 支払い処理(振込代行)
- 月次試算表の作成
月額費用の目安
| 業務 | 月額費用 |
|---|---|
| 記帳代行 | 2万〜4万円 |
| 給与計算(25名) | 2.5万〜5万円 |
| 請求書管理 | 5,000〜1万円 |
| 支払い処理 | 1万〜2万円 |
| 月次試算表 | 1万〜2万円 |
| 合計 | 7万〜14万円 |
業務をフルアウトソーシングしても月10〜15万円程度に収まることが多い。
正社員採用との費用比較
「外注より採用の方が安い」と思っている経営者は多いが、実際には逆のケースが大半だ。
経理担当者を正社員で採用した場合のコスト(年収350万円の場合)
| 費用項目 | 月額 |
|---|---|
| 給与(手取り計算前) | 29万円 |
| 社会保険料(会社負担分) | 4〜5万円 |
| 賞与(年2回・計2ヶ月分を月割り) | 4.8万円 |
| 採用費用(月割り換算)※ | 2〜4万円 |
| 合計 | 40〜43万円/月 |
※求人サイト掲載費・人材紹介手数料等を24ヶ月で割った場合
一方、従業員15人規模の会社が経理代行を使った場合は月3〜6万円。差額は月30〜40万円になる。
ただし、正社員採用が合理的な場合もある
月の経理業務が200時間を超えるような規模(従業員50人以上)になると、外注より採用の方がコストパフォーマンスが良くなるケースが出てくる。従業員30人以下であれば、外注の方がコストを抑えやすい。
「記帳だけ」から始めるのが最も失敗が少ない
全ての業務を一気に外注しようとすると、初期の費用と調整コストが増える。最初は記帳代行だけを外注し、慣れてきたら給与計算、次に請求書管理と段階的に拡大する方法が現実的だ。
段階的な外注の進め方
- まず記帳代行のみ依頼(月1〜2万円)
- 記帳が安定したら給与計算を追加(月+1〜2万円)
- 経理担当者が不要になったら月次試算表・決算書まで委託
この順序で進めると、社内の混乱が少なく、委託先との連携も取りやすい。
経理代行先を選ぶときの確認ポイント
料金だけでなく、以下の点を確認しておく。
1. 対応している会計ソフト
freee・マネーフォワード・弥生会計など、自社で使っているソフトに対応しているか確認する。ソフトが異なると移行コストが発生する。
2. 月次レポートの頻度と形式
月次試算表をいつ、どの形式で提出してもらえるかを事前に確認する。試算表が遅いと経営判断に使えない。
3. 担当者の固定制
担当者が頻繁に変わるサービスは、業務のたびに説明が必要になる。担当者固定制かどうかを確認する。
4. 引き継ぎ対応の有無
現在の経理担当者から引き継ぎが発生する場合、引き継ぎ支援をしてくれるかを事前に確認する。
まとめ:外注コストは思ったより安い
経理代行の費用感をまとめると、以下のとおりだ。
| 従業員規模 | 外注費用(月額) | 正社員採用(月額) |
|---|---|---|
| 5人以下 | 1万〜2万円 | 40〜43万円 |
| 10〜15人 | 3万〜6万円 | 40〜43万円 |
| 20〜30人 | 7万〜14万円 | 40〜50万円 |
中小企業の経理は、ほとんどの場合は外注の方が安い。「採用するほどの業務量があるか」を確認してから判断することが重要だ。
まず記帳代行だけ試してみることで、外注の感覚をつかみながらリスクを抑えた導入ができる。
「自社の場合、どの範囲を外注すべきか分からない」という方は、無料相談はこちらから気軽にご連絡ください。業務内容と規模に応じた最適な方法を一緒に整理します。
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