本音コラム

怪しいITコンサルに騙されないために知っておくこと

著者: 野原琉海(株式会社ラズリ代表)

「業務を改善したい」「ITを活用したい」。そう思ってコンサルに相談する中小企業は多いと思う。

でも実際には、ITコンサルとのトラブルで数百万円〜数千万円を失う中小企業が後を絶たない。「いつまでたってもシステムが完成しない」「導入したけど現場で使われていない」「追加費用ばかり請求される」。こういう話は珍しくない。

今日は、よくある手口と騙されないための考え方を書く。

よくあるパターン1:「もうすぐ完成します」が永遠に続く

システム開発を依頼した。最初の見積もりは300万円。3ヶ月で完成すると言われた。

3ヶ月後、「想定より複雑でした。追加で100万円と2ヶ月ください」と言われる。仕方なく了承する。2ヶ月後、「もう少しで完成します。ただ、テスト工程で追加費用が...」。

これが半年、1年と続く。最終的に当初の倍以上の費用を払って、出来上がったものは微妙。大企業でも、当初5,000万円の見積もりが1億円以上に膨らんだ事例がある。

よくあるパターン2:導入したけど誰も使っていない

コンサルに言われるままにシステムを導入した。数百万円かけた。

でも、現場にヒアリングせずに決めたものだから、実際の業務に合わない。操作が複雑で現場の社員が使いこなせない。結局、みんなExcelに戻っている。

高額なシステムの月額料金だけが毎月引き落とされている。

よくあるパターン3:「補助金で実質無料」の甘い話

「IT導入補助金を使えば実質無料で導入できますよ」と持ちかけてくるパターン。

補助金自体は正当な制度だ。でも、これを悪用して「補助金が出るから」と必要以上に高額なシステムを導入させるケースがある。実際に会計検査院が1.5億円超の不正受給を認定したという報道もある。

「実質無料」と言われても、それは税金から出ているお金だ。本当に必要なものに使うべきで、コンサルの売上のために使われるべきではない。

よくあるパターン4:長期契約で囲い込む

「まず3年の顧問契約を結びましょう。月額50万円です」

年間600万円。3年で1,800万円。成果が出なくても、契約期間中は解約できない。

最初は手厚くサポートしてくれるが、契約が続くにつれて対応が雑になる。でも解約できない。

なぜ騙されるのか

共通しているのは、発注側にITの知識がないから、提案が適正かどうか判断できないことだ。

「技術的な難しい話で煙に巻かれ続けた」という経営者の声がある。専門用語を並べられると、よく分からないまま「はい」と言ってしまう。

もう1つは、知り合いや経営者仲間からの紹介で信用してしまうこと。紹介だから大丈夫だろうと思って、中身を確認せずに契約してしまう。

騙されないための考え方

課題を自分で言葉にしてから相談する

「何をすればいいか教えてください」と丸投げすると、コンサルが都合のいい方向に話を持っていきやすい。

「毎月の請求書処理に時間がかかっている。これを短くしたい」。こうやって具体的な課題を1つ決めてから相談する。

いきなり大きな契約を結ばない

「まず3ヶ月のコンサル契約を」と言われたら、「まず1回の相談でいくらですか」と聞く。

1回の相談で方向性を示せないコンサルは、3ヶ月かけても大した答えは出さない。

提案されたツールを自分でも調べる

「○○を導入しましょう」と言われたら、そのツールを自分でも検索する。他に選択肢はないか、もっと安いものはないか、そもそもツールが必要なのか。

成果で判断する

コンサルに払ったお金に対して、何が変わったのか。業務時間が何時間減ったのか。コストが何円下がったのか。

「分析レポートを作りました」は成果ではない。「請求書処理の時間が月10時間減りました」が成果だ。

ITに詳しい人にセカンドオピニオンをもらう

コンサルの提案が適正かどうか、社外のエンジニアに見てもらうだけでも全然違う。数万円の相談料で数百万円の失敗を防げることがある。

まとめ

  • 「もうすぐ完成します」が永遠に続くパターンがある
  • 現場にヒアリングせず導入して、誰も使わないパターンがある
  • 「補助金で実質無料」は甘い話として警戒する
  • いきなり長期契約を結ばない
  • 課題を自分で言葉にしてから相談する
  • 提案が適正かどうか、別の人にセカンドオピニオンをもらう

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