事務代行・外注

freee対応の経理代行サービス5選|料金・対応範囲を徹底比較

著者:野原琉海(業務効率化に特化したエンジニア)

「freeeを使っているんですが、経理代行ってどこに頼めばいいですか?」

この質問、ここ1年で複数の経営者から受けた。freeeを導入したはいいが、入力作業が追いついていない、もしくは経理担当が退職してしまった。そういう状況で経理代行を探すと、意外と「freee対応かどうか」で迷う場面が出てくる。

僕の経験から言うと、会計ソフトの対応確認を怠ると後から手間が増える。freeeを使っているのにfreee非対応の業者に頼むと、データの二重管理が発生したり、月次の数字が2〜3週間後にしか確認できなくなったりする。これでは外注する意味が薄れる。

この記事では、freeeに対応した経理代行サービス5社を、料金・対応業務・特徴ごとに比較する。さらに「どんな会社にどのサービスが合うか」という選び方の基準も整理した。

freeeを使っている会社が経理代行を選ぶ前に知っておくべきこと

「freee対応」の意味は3種類ある

「freee対応」と書いてあるサービスでも、その実態は3段階に分かれる。

レベル1:freeeへのデータ入力ができる

最もよくある対応。レシート・領収書・通帳データを受け取って、freeeに仕訳を入力してくれる。記帳代行のほとんどがここ。

レベル2:freeeの管理者権限を使いこなせる

銀行連携の設定、部門別管理、承認フローの設定まで対応できる。経理代行会社にfreeeのアカウントを共有して、リアルタイムで連携できる状態を作れる。

レベル3:freee上での月次レポート作成・経営判断サポートまでできる

試算表の読み方を一緒に確認してくれる、経費の傾向を分析してくれるなど、数字の活用まで関与してくれるレベル。AI顧問との組み合わせに近い。

依頼するサービスがどのレベルかを事前に確認しておかないと、「freee使えます」と言っていたのに入力しかできなかった、というミスマッチが起きる。

freeeとマネーフォワードで「向いている代行のスタイル」が違う

余談になるが、会計ソフトによって相性のよい代行のスタイルが変わると感じている。

freeeは経営者が自分で確認しやすい設計になっており、代行と経営者が並走するモデルに向いている。マネーフォワードはより細かい管理ができる反面、税理士・会計士寄りの専門的な対応が必要になるケースが多い。

freeeを使っているなら「自分でも数字を見やすい状態を保ちながら代行を入れる」スタイルを選ぶのが合理的だ。

freee対応の経理代行サービス5社を比較

以下の表に5社の概要をまとめた。各サービスの詳細は後述する。

サービス 月額目安 freee対応レベル 主な対応業務 向いている会社
KANBEI 1,100円〜 レベル1〜2 記帳・仕訳・月次レポート 小規模で記帳だけ外注したい
サイバークルー会計事務所 980円〜 レベル1〜2 freee入力代行・記帳 専門家に相談しながら進めたい
フジ子さん 要見積(市場相場3万〜) レベル1〜2 記帳・経費精算・給与計算・一般事務 経理+事務をまとめて外注したい
HELP YOU 要見積(市場相場3万〜) レベル2〜3 記帳・経費処理・各種バックオフィス 担当者不在リスクをなくしたい
i-STAFF 要見積(市場相場3万〜) レベル1〜3 記帳・freee導入サポート・経費精算 freee未導入から整備したい

月額目安はサービス・業務量によって変わる。見積もりを取る前の参考値として使ってほしい。

業務範囲別の対応比較

「記帳だけ頼みたい」と「給与計算も込みで頼みたい」では選ぶサービスが変わる。以下の表を参考にしてほしい。

業務内容 KANBEI サイバークルー フジ子さん HELP YOU i-STAFF
記帳(仕訳入力)
経費精算処理
給与計算 ×
請求書発行・管理 × ×
freee導入サポート × ×
月次レポート作成

○:対応 △:要確認・別途費用あり ×:非対応

各サービスの詳細

1. KANBEI(カンベイ)

月額:1,100円〜(税込)

freee専用の記帳代行サービス。複数の会計ソフトに対応する他社と異なり、KANBEIはfreeeに特化している。これが強みでもある。freeeのデータ連携手順が確立されていて、初期設定の手間が最も少ない。

月額1,100円というのは、他の経理代行と比べると圧倒的に安い。記帳代行の市場相場が月3万〜10万円のなかで、1,100円は異次元の価格帯だ。

ただし、業務範囲は記帳(仕訳入力)が中心。給与計算や請求書管理は対応していないため、これらを含めて外注したい場合は他サービスと掛け合わせる必要がある。

KANBEIが向いている会社

  • 従業員5人以下で仕訳件数が月50件以下
  • すでにfreeeをある程度使いこなせている
  • コストを最小限に抑えて記帳だけ外注したい

注意点

  • freee以外の会計ソフトに変更する予定がある場合は依存が大きくなる
  • 複雑な経理処理や税務相談は対応外

2. サイバークルー会計事務所

月額:980円〜(税込)

会計事務所が直接freeeの入力代行を担当する。記帳代行の専門業者ではなく「会計事務所」が主体であるため、仕訳の判断が難しい場面での相談がしやすい点が特徴だ。

月額980円〜という価格は、KANBEIと同水準の低価格帯。記帳専門サービスとして利用する分にはコスト効率がよい。

税務のことを相談できるパートナーがいる安心感を得ながら、費用を抑えたい会社に向いている。

向いている会社

  • 仕訳の判断に迷うことが多く、専門家に確認しながら進めたい
  • 税理士との契約はまだないが、専門家と関係を作りたい
  • 記帳を低コストで外注しながら、相談窓口も持ちたい

注意点

  • 給与計算・請求書管理は業務範囲外(要確認)
  • 対応できる業務量の上限はサービス内容によって異なる

3. フジ子さん

月額:要見積(業務量によって変動。市場相場では3万円〜が多い)

オンライン事務代行の大手サービス。経理だけでなく、一般事務・秘書業務・データ入力・採用補助など幅広い業務を時間単位で依頼できる。freeeへの入力代行にも対応している。

時間課金制のため、業務量が増えた月は費用が上がる。逆に業務が少ない月は費用が下がる柔軟性がある。「月の業務量が読めない」「繁忙期だけ助けてほしい」という会社に向いている。

経理だけを独立して外注するより、事務全般をまとめて任せることでコミュニケーション先が一つで済むメリットがある。

向いている会社

  • 経理だけでなく事務全般をまとめて外注したい
  • 業務量が月によって波がある
  • 複数のタスクをまとめて依頼したい

注意点

  • 時間単位の課金のため、業務量が多い月はコストが上がる
  • 事前に月の目安業務量を確認しておくと見積もりが立てやすい
  • 経理の専門性よりも「使いやすさ・汎用性」に特徴がある

4. HELP YOU

月額:要見積(業務内容によって異なる)

チーム制でサポートするオンライン代行サービス。担当者1人ではなくチームが関与するため、担当者の退職・欠員があっても業務が止まらない点が最大の特徴だ。

中小企業で「担当者に全部任せていたら辞めてしまった」という事態を防ぐには、チーム制の代行を使うことが有効な選択肢になる。特定の人に依存する属人化を外注段階からなくせる。

freeeを使った記帳・経費処理に対応しており、月次レポートの提出まで依頼できるケースもある。

向いている会社

  • 担当者の退職リスクを最小化したい
  • 長期的に安定した外注体制を構築したい
  • バックオフィス業務の属人化を解消したい

注意点

  • 月額費用はスコープ・業務量次第で変わる。必ず見積もりを取ること
  • 柔軟な対応が可能な反面、複雑な業務は別途交渉が必要になることがある

5. i-STAFF

月額:要見積(業務内容・範囲によって異なる)

オンライン秘書サービスとして経理代行の実績があり、freeeの運用代行だけでなく、freeeの導入設定サポートも含まれる。これがi-STAFFを他のサービスと差別化している点だ。

「freeeをまだ導入していないが、会計ソフト選定から外注先選びまで一緒に進めたい」という会社に向いている。

返金保証があるため、初めて経理代行を試す会社にとってはリスクを抑えやすい。

向いている会社

  • freeeをこれから導入する段階にある
  • 会計ソフトの設定から経理代行まで一括で依頼したい
  • 初めての外注で失敗リスクを最小化したい

注意点

  • 経理のみに特化した専門性を求める場合は他サービスとの比較が必要
  • 総合型サービスのため、経理以外の業務も含む見積もりになることがある

会社規模・目的別の選び方ガイド

どのサービスを選ぶかは「何を外注したいか」と「会社の規模」で決まる。

状況 おすすめ 理由
従業員5人以下、記帳だけ外注したい KANBEI・サイバークルー 月1,000円前後で記帳だけを済ませられる
経理+事務をまとめて外注したい フジ子さん・HELP YOU 窓口が1つで複数業務を依頼できる
freeeを未導入で環境整備から始めたい i-STAFF 設定・導入サポートが含まれる
担当者退職リスクを避けたい HELP YOU チーム制で属人化しない
専門家に相談しながら進めたい サイバークルー 会計事務所が直接対応
月3万円以下に抑えたい KANBEI・サイバークルー 月1,000円前後から始められる

仕訳件数を目安にしたサービス選択

月の仕訳件数が少ない(月50件以下)場合は、低価格の記帳専門サービスで十分対応できる。

月100件を超えてくると、業務の複雑さも増す。月150件以上になれば、複数業務に対応できる総合型サービスを選んだほうが管理コストを下げやすい。

僕が顧問先の経営者に確認するときは「月に領収書・請求書を合わせて何件処理しているか」を聞く。この数字が月50件を下回るなら、まずKANBEIのような低価格サービスから試すことを勧めることが多い。

契約前に必ず確認する5つのポイント

#### 1. freeeへのアクセス権限の渡し方

freeeのデータをどのように共有するかを事前に確認する。一般的には「代行業者にfreeeの管理者権限を付与する」または「CSVエクスポートしてデータを送る」のどちらかになる。

管理者権限を渡すほうが連携の手間は少ないが、アクセス範囲に制限をかけるかどうかを決めておく必要がある。

#### 2. 月次レポートの提出タイミング

試算表をいつ提出してもらえるかを確認する。月末締め翌月15日以降の提出では、経営判断への活用が遅れる。理想は翌月10日以内だ。

#### 3. 最低利用期間と解約条件

初月無料・最低3ヶ月契約など、サービスによって縛りが異なる。解約時のデータ返還方法も確認しておく。freeeに入力されたデータは自社のものだが、代行業者が保有している書類の取り扱いはサービスごとに違う。

#### 4. 対応できない業務の明確化

「記帳はできるが、給与計算は別途対応」「領収書の仕分け判断は別料金」など、契約に含まれない業務があるケースは多い。事前の打ち合わせで「うちの業務量でどこまでやってもらえるか」を確認しておく。

#### 5. 担当者変更時の引き継ぎ体制

代行業者側の担当者が変わったときに、自社のfreee設定・業務ルール・特殊な仕訳処理の知識が引き継がれるかを確認する。チーム制を謳っているサービスは引き継ぎリスクが低い。個人単位で対応するサービスは確認が必要だ。

freee対応の経理代行でよくある疑問

Q. 税理士がいれば経理代行は不要ですか?

税理士と経理代行は役割が異なる。税理士は主に「決算・申告」を担うが、日常の記帳や月次の数字整理は税理士業務の範囲外であることが多い。

freeeで日常業務を代行してもらい、決算は税理士に依頼するという二段階の体制をとる会社は多い。「どちらかに頼めばいい」ではなく「役割を分担して使う」という発想が現実的だ。

詳細は経理代行の費用を実例で公開|従業員規模別の月額料金まとめで、費用感の実態を整理しているので参考にしてほしい。

Q. freeeを使いこなせていない段階で代行を頼んでもいいですか?

問題ない。むしろfreeeを使いこなせていない会社ほど、早めに代行を頼んで設定を整えてもらうほうが得だ。i-STAFFのように導入サポートを含むサービスを選べば、ソフトの整備と代行を同時に進められる。

Q. freeeの会計データを外部に渡すことのセキュリティリスクは?

管理者権限を渡す場合は、freeeの「メンバー招待」機能を使い「編集権限のみ・承認権限なし」など制限をかけることができる。閲覧・入力のみに絞って権限を渡す設定にしておくと、リスクを最小化できる。

Q. 月々の費用をできるだけ抑えたい場合はどうすればいいですか?

まずKANBEIやサイバークルーのような月額1,000円前後のサービスで記帳だけを試す。慣れてきたら業務を追加する形で段階的に外注範囲を広げるのが現実的だ。全部を一度に任せようとすると費用が膨らむ。

経理代行の費用を実例で公開|従業員規模別の月額料金まとめに費用の目安をまとめているので参考にしてほしい。

まとめ

freee対応の経理代行サービスは、選ぶ前に「何を外注したいか」を整理することが先決だ。

  • 記帳だけなら月1,000円前後のサービスで十分
  • 事務全般をまとめるなら総合型サービスを選ぶ
  • 属人化を避けたいならチーム制
  • freeeの導入段階からなら設定サポート付きのサービスを選ぶ

最初から完璧に全部任せようとすると費用が読めなくなる。まず「記帳だけ試す」から始めて、業務が安定してから外注範囲を広げるのが、失敗しにくいやり方だ。

freeeの経理周りで困っている場合は、中小企業の経理を外注する手順|準備から導入まで完全ガイドも合わせて読んでほしい。外注を始める前の準備ステップが整理されている。

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