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営業で使えるChatGPTプロンプト集12選|メール・提案・ロープレ

業務効率化エンジニアとして複数の中小企業の現場を見てきた中で、営業部門ほどChatGPTの恩恵が大きい部門はないと感じている。

理由はシンプルで、営業の仕事は「考える仕事」と「書く仕事」に大きく分かれる。ChatGPTは「書く仕事」を圧倒的に速くしてくれるからだ。

僕が実際に中小企業の営業担当者にChatGPT活用を試してもらったところ、商談前の顧客リサーチや想定Q&A準備にかかっていた時間が、1案件あたり平均30〜40分から5〜10分に短縮された。提案書の骨子作成も、従来の2〜3時間が30分程度になるケースがあった。これは誇張でなく実際の話だ。

ChatGPTを営業に活用している担当者とそうでない担当者を比較すると、準備の量と質に大きな差が生まれる。一方で、「どのプロンプトを使えばいいか分からない」という声もよく聞く。

この記事では、商談前の準備から商談後のフォローまで、実務で使えるプロンプトを12本まとめる。コピペして使える形式にした。

使うツールとその違い(比較表)

まず、営業業務で使えるAIツールの選び方を整理する。「ChatGPTだけ使えばいい」わけではなく、自社の環境に合わせた選択が効果を最大化する。

ツール 月額目安 向いている用途 特徴
ChatGPT Plus 約3,000円($20) メール下書き・提案書骨子・ロープレ・リサーチ 汎用性が高く、最初の1本に最適
Claude Pro 約3,000円($20) 長文提案書・PDF読み込み・複雑な論点整理 長文品質に強い
Copilot(M365) 追加0円(M365前提) Word・Teams・Outlook連携 既存業務に組み込みやすい
Gemini(Workspace) 追加0円(Workspace前提) Gmail・Googleドキュメント連携 Gmailでの活用に向く

ChatGPT Plus と Claude Pro の使い分けについては「ChatGPT・Claude・Geminiの違いと中小企業での使い分け」でも詳しく整理しているので、どちらを選ぶか迷っている場合は先に読んでほしい。

中小企業でChatGPT Plus を導入するかどうかの判断基準については「ChatGPT Teamで足りる会社、AI顧問が必要な会社の違い」も参考になる。

12本のプロンプト全体像(フェーズ別一覧)

12本のプロンプトを商談フェーズ別に整理した。どの場面で何を使うかの全体像を最初に把握してほしい。

フェーズ プロンプト番号 主な用途 所要時間の目安
商談前(準備) 1〜3 顧客企業リサーチ・差別化整理・課題洗い出し 各3〜5分
商談直前(練習) 4〜6 想定Q&A・ロープレ・提案書骨子 各5〜10分
商談後(フォロー) 7〜9 アポメール・商談後フォロー・見積もり送付 各3〜5分
定着フォロー 10〜12 反論対応・失注振り返り・既存顧客追加提案 各3〜5分

1案件あたりの合計時間で言えば、従来の2〜3時間かかっていた準備が30〜45分程度に圧縮されるのが現実的な効果だ。

プロンプト活用上のルール(最初に読んでほしい)

1. 社外秘情報・顧客の個人情報をそのまま入力しない

ChatGPT Plusの通常プランは、入力データがOpenAIのサービス改善に使われる可能性がある。商談相手の企業名・担当者名・金額等は、「○○社」「A社(製造業・従業員100名)」等に置き換えて入力する。

2. ChatGPTの出力は「下書き」として扱う

「ChatGPTが生成した文章 = 送るべきメール」ではない。出力を元に、自分で確認・修正してから使う。僕が見てきた失敗の多くは、ChatGPTの出力をそのまま送って「文体がおかしい」「情報が違う」となるケースだ。

3. 事実確認が必要な内容は自分で調べる

企業情報・業界動向・競合情報は、ChatGPTが古い情報を出すことがある。ChatGPTは「構成の整理・文章作成」に使い、事実確認は自分で行う。

商談前: 企業・顧客リサーチ(プロンプト1〜3)

プロンプト1. 商談前の顧客企業リサーチ

用途: 初訪問・提案前に顧客企業の状況を把握する


私は中小企業向けの[あなたのサービス・商品]を販売しています。
これから[A社 / 業界: ○○業 / 従業員数: ○名 / 年商○億円規模]の担当者と商談があります。

以下の点について整理を手伝ってください:
1. この規模・業界の会社が「[あなたのサービスカテゴリ]」を導入する際に抱えやすい課題は何か
2. 商談で確認すべき質問リスト(5〜8問)
3. この業界・規模の担当者が反応しやすいメリットの伝え方のポイント

※私が後で事実確認と修正を行います

プロンプト2. 競合他社との差別化ポイントの整理

用途: 競合他社を意識した提案の論点整理


私は[自社のサービス・商品]を販売しています。
[競合A / 競合B]と比較された場合に、自社の差別化ポイントを整理したいです。

以下の情報を元に、顧客に対して「なぜ自社を選ぶべきか」を3つの観点で整理してください:

【自社の特徴】
- ○○
- ○○

【競合との違い】
- ○○

顧客が「値段だけでなく価値で選びたい」と思うような伝え方でまとめてください。

プロンプト3. 商談相手の想定課題リスト

用途: アポイント前の「この人が抱えているかもしれない課題」の洗い出し


[○○業 / 従業員○名規模 / ポジション: 経営者 or 部長クラス]の方に初めてお会いします。
この方が日常的に感じている可能性が高い業務課題・経営課題を10個リストアップしてください。

私は[自社のサービス内容]を提供しており、その観点から課題を絞り込んでほしいです。

商談準備・ロープレ(プロンプト4〜6)

プロンプト4. 想定Q&Aの準備

用途: 商談で出そうな質問と答えを事前に準備する


私は[商品・サービス]を提案します。
商談で相手から出やすい疑問・反論を10個挙げ、それぞれに対する回答案を作ってください。

特に以下の点への反論が多いです:
- 価格が高い
- 今は検討するタイミングではない
- 現状のやり方で困っていない

各反論への返し方を、相手を否定せず前向きに展開できる形で作ってください。

プロンプト5. ロールプレイ(商談練習)

用途: 一人で商談の受け答えを練習する


あなたは[○○業界 / 従業員○名 / 年商○億円規模]の経営者です。
私から[商品・サービス名]の提案を受けています。

以下の条件で、商談のロールプレイを行います:
- 課題には心当たりはあるが、費用に対して懐疑的
- 決裁権はあるが、急いでいない
- 「今すぐ決めなくていい」というスタンス

私が営業担当として話しかけるので、上記の人物として返答してください。
「商談開始」と入力したら始めてください。

このロープレは実際に使ってみると効果的で、1人でも商談の受け答えの練習ができる。特に新規開拓が多い営業担当者には毎週1〜2回のペースで活用してほしい。

プロンプト6. 提案の骨子を5分で作る

用途: 提案書・プレゼン資料の骨格を素早く作る


以下の条件で、提案書の骨子(構成案)を作ってください。

【顧客情報】
- 業種: ○○
- 規模: 従業員○名
- 現在の課題(ヒアリングで確認したこと): ○○

【提案内容】
- 提供するもの: ○○
- 費用: ○○
- 期待できる効果: ○○

提案書の構成(スライド5〜7枚分)を、各スライドのタイトルと入れるべき内容(箇条書き)で作成してください。

メール・文書作成(プロンプト7〜9)

プロンプト7. アポイントメールの作成

用途: 初めてアプローチするメールを作る


以下の条件でアポイントを打診するメールの下書きを作成してください。

【送り先】
- 業種・規模: ○○業 / 従業員○名規模
- 担当者: 経営者 or ○○部長クラス

【提案内容】
- 自社: ○○(会社名は伏せてください)
- 提供サービス: ○○
- 提案の切り口: ○○という課題を解決する

条件:
- 売り込み感を抑えた丁寧な文体
- 200字以内
- 「15分だけ時間をいただけますか」という形でクロージング

プロンプト8. フォローメール(商談後)

用途: 商談後に送るサンクスメールと次のアクション案内


以下の商談内容をもとに、商談後のフォローメールを作成してください。

【商談の概要】
- 商談日: ○月○日
- 確認できた課題: ○○
- 提案した内容: ○○
- 相手の反応: ○○(前向き / 検討中 / 懸念点は○○)
- 次のアクション(合意したこと): ○○

条件:
- 200〜300字の簡潔なメール
- 感謝から始め、確認事項を整理して締める
- 次回のアクションを明確に入れる

プロンプト9. 提案・見積もり送付メール

用途: 提案書・見積もりを添付して送る際の本文


以下の内容で、提案書・見積もりを送付するメールの下書きを作成してください。

【相手】
- 担当者名: 伏せてください(「○○様」の形式で)
- 前回の商談で確認した課題: ○○

【添付内容】
- 提案書の概要: ○○
- 費用: ○○円〜(または「添付の通り」でOK)
- 検討期限: ○月○日までにご連絡いただければ幸いです

条件:
- 300字以内
- 高圧的にならない、検討しやすい雰囲気の文体

商談後・定着フォロー(プロンプト10〜12)

プロンプト10. 反論対応:価格への抵抗

用途: 「高い」と言われたときの切り返しの練習


商談相手から「少し費用が高い」と言われました。
自社の[サービス・商品]の価値を伝えながら、価格への不満を前向きに展開するための切り返しを3パターン作ってください。

【価格の高さを正当化できる要素】
- ○○(実例・数字があれば入れる)
- ○○

各パターンは自然な会話の流れで使えるよう、100〜150字程度で作ってください。

プロンプト11. 失注後の学習メモ

用途: 失注案件を振り返って次に活かすためのメモ


今回の商談で失注しました。以下の情報から、失注の原因と今後の改善点を分析してください。

【案件概要】
- 顧客業種・規模: ○○
- 提案内容: ○○
- 提示費用: ○○
- 断られた理由(相手の発言): ○○
- 自分の感触: ○○

分析: 
1. 失注の根本原因(2〜3点)
2. もし同じ状況になったら変えるべきこと
3. 次回類似案件で試すアプローチ

実際に見てきた中で、失注分析をやっている営業担当者と、やっていない担当者の差は3〜6ヶ月後に如実に出る。ChatGPTで5分でできる分析を積み重ねると、同じ反論パターンへの対処が段違いに速くなる。

プロンプト12. 既存顧客への追加提案

用途: 取引中の顧客に別のサービス・商品を提案する際の切り口を考える


以下の既存顧客に、新しいサービスを提案する切り口を考えてください。

【顧客情報】
- 現在の取引内容: ○○
- 取引期間: ○ヶ月
- 顧客の状況(最近話した内容): ○○

【提案したい内容】
- 新サービス・商品: ○○

「現在の取引の延長線として自然に感じてもらえる」提案の切り口を3つ出してください。

営業活用の費用対効果(月額コストと削減効果の比較)

ChatGPT Plusを営業活用した場合のコストと効果をまとめる。

構成 月額コスト 主な活用範囲 削減できる主な工数
ChatGPT Plus のみ 約3,000円/月 メール・提案骨子・リサーチ・ロープレ 準備・文書作成で1案件あたり30〜40分
ChatGPT Plus + Claude Pro 約6,000円/月 上記に加え長文提案書・PDF分析 提案書作成が2〜3時間→1時間以内
Copilot追加(M365環境) 追加0円(M365前提) Teams議事録・Outlook文面補助 会議後フォローの即応が可能

月3,000円で1案件あたり30分以上の準備時間が削減されるとすれば、月10案件で5時間以上のコスト削減になる計算だ。

AIツールの費用対効果の考え方については「月額AIサービスの採算ライン|中小企業がペイするかどうかの判断基準」に詳しくまとめているので、予算感の判断に使ってほしい。

活用のポイント

プロンプトをそのまま使わず自社に合わせる

上記のプロンプトはテンプレートだ。「自社のサービス・商品」「顧客の業種・規模」「ヒアリングで確認した課題」を具体的に埋めることで、出力の質が大幅に上がる。

「○○」の部分を埋めずに送ると、一般的すぎる回答しか返ってこない。プロンプトの精度が高まるのは、だいたい3〜5回使ってから。最初は雑でも使い始めることが大事だ。

出力を「たたき台」として使う

ChatGPTが出した文章は、自分でチェック・修正してから使う。特にメール・提案書は、送る前に必ず読み返す。僕が経験上見てきた中で、ChatGPTの出力をそのまま送って相手に違和感を与えるケースが一定数ある。

個人情報・社外秘情報を入力しない

顧客の実名・連絡先・具体的な財務情報等をそのまま入力しない。「○○業界の中堅企業」「A社」等に抽象化してから入力する。ChatGPT Plus は設定で「モデルの学習に使わない」設定が可能だが、それでも具体的な個人情報は入力しない習慣をつけることを推奨する。

陥りがちな失敗パターン

失敗1: プロンプトを毎回変えてしまう

毎回違うプロンプトで分析・文書作成をすると、出力のフォーマットがバラバラになる。商談後のメールや失注分析は、同じプロンプトを使い続けることで比較・振り返りがしやすくなる。

回避策: 12本のプロンプトを社内の共有ドキュメント(NotionやGoogleドキュメント)に保存し、毎回そこからコピーして使う。

失敗2: ツールを増やしすぎる

「ChatGPT・Claude・Copilot・Gemini全部使う」にすると、どれを使えばいいか混乱する担当者が出てくる。

回避策: まずはChatGPT Plus 1本に絞って3ヶ月使い、物足りなくなってから追加する。

失敗3: AIの出力を鵜呑みにして送る

「ChatGPTが書いたからそのまま送っていい」という認識になると、顧客に「この会社の文章、何か変だな」と思われるリスクがある。AIツールは書くスピードを上げるためのツール。最終チェックは人間が行う。

AI活用全般の失敗パターンは「AI導入の失敗事例から見る経営者の判断ミス5パターン」でも整理しているので、AIツール導入初期に一読することを勧める。

まとめ

営業業務でChatGPTを活用するための12本のプロンプトをまとめた。

  • 商談前の準備(1〜3): 顧客リサーチ・差別化整理・課題洗い出し
  • 商談直前(4〜6): 想定Q&A・ロープレ・提案書骨子
  • 商談後フォロー(7〜9): アポメール・商談後メール・見積もり送付
  • 定着フォロー(10〜12): 反論対応・失注振り返り・既存顧客追加提案

これらすべてを一度に使う必要はない。今日の業務でまず試すなら「商談後のフォローメール(プロンプト8)」と「想定Q&A(プロンプト4)」から始めるのが最短だ。この2本を使いこなすだけで、1案件あたり20〜30分の準備時間が削減できる。

業務効率化エンジニアとして自社でも使い続けている立場から言うと、ChatGPT営業活用は「うまく使えるようになるまで時間がかかる」ものではなく、最初の1本を試した翌日から効果が出始める。ハードルは思っているより低い。

中小企業のAI導入全体のロードマップについては「中小企業のAI導入|最初の3ヶ月で何をすべきか」にまとめているので、営業以外の部門にも広げていきたい場合は参考にしてほしい。

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この記事を書いた人: 野原琉海(株式会社ラズリ代表)。業務効率化に特化したエンジニアとして、自社でAI顧問サービスを運営。

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