週2〜3回の会議がある会社では、議事録作成だけで月に数時間が消えていることが珍しくない。会議中は進行に集中しながらメモを取り、終わったあとに音声を聞き直して整形する——このやり方を変えずに続けている会社は、まだ多い。
AIを使えば、60分の会議が5〜10分でテキストになる。要約まで自動で出るツールもある。月1,000円以下の予算でも始められる。
この記事では、会議の形式別に「最短で始める方法」を整理する。
AIが議事録の何をやってくれるか
AI議事録ツールの基本的な機能は、主に4つだ。
文字起こし
マイクや録音ファイルから音声を取り込み、テキストに変換する。60分の会議が5〜10分でテキスト化されるのが一般的だ。
要約
長い会議の内容をAIが解析し、要点を箇条書きにまとめる。会議後のまとめを作成する時間がほぼゼロになる。
話者識別
誰が何を発言したかを自動で分類する機能。複数人が参加する会議で、「これ誰の発言だっけ」を防げる。
アクションアイテムの抽出
「○○を来週までにやる」「○○に確認する」という決定事項を自動でリストアップするツールもある(機能はツールによって異なる)。
全部揃っている必要はない。まず「文字起こし」だけ自動化するだけでも、議事録作業にかかる時間は大幅に変わる。
会議形式別:最短スタートのパターン
使っている会議環境によって、始め方が変わる。
パターンA:ZoomやGoogle Meetで会議している
NottaかTactiqを使う。ZoomまたはGoogle Meetのアカウントと連携設定をするだけで、会議に自動参加して文字起こしが始まる。設定は15〜30分あれば完了する。
パターンB:対面・電話中心の会議が多い
スマートフォンで録音し、Nottaにアップロードする。音声ファイルを入れると数分でテキスト化される。追加のデバイスは不要で、今使っているスマートフォンで始められる。
パターンC:まず無料で試したい
tl;dvの無料プランを使う。録画・文字起こしが無制限で使える。Nottaの無料プランは月120分まで使えるが、1回あたり3分の制限があるため、実際の会議への適用はtl;dvの方が使いやすい。
主要ツール4選と費用
2026年4月時点での情報をまとめた。
| ツール | 料金(税込目安) | 日本語精度 | 向いている会議形式 |
|---|---|---|---|
| Notta | 無料〜月1,185円(年払い) | 高い | Zoom・Meet・対面録音 |
| Rimo Voice | 月1,650円〜 | 高い(国産) | オンライン・対面 |
| tl;dv | 無料〜 | 対応(英語音声に強み) | Zoom・Meet |
| Tactiq | 無料〜 | 高い | Google Meet特化 |
※料金は変更される場合がある。最新情報は各サービスの公式サイトで確認してほしい。
選び方の目安
- コストを抑えたい → Nottaの無料プランまたはtl;dvの無料プラン(録画・文字起こし無制限)
- 日本語精度を重視したい → NottaまたはRimo Voice
- Google Meetだけで使う → Tactiqが最も手軽(Chrome拡張をインストールするだけ)
- 対面会議が多い → Nottaが汎用性が高い
Nottaで始める手順(Zoom連携の場合)
最初にNottaを選んだ場合の具体的な手順。
Step 1: アカウント作成
notta.aiにアクセスし、Googleアカウントまたはメールアドレスでアカウントを作成する(無料)。
Step 2: Zoomと連携
Nottaの設定画面から「連携」を選択し、Zoomのアカウントと接続する。接続後は、Zoomで会議を開始するとNottaが自動で参加する。
Step 3: 会議後に確認
会議終了後、Nottaに文字起こしが自動で保存される。要約ボタンを押すと、要点が箇条書きで出力される。
Step 4: 関係者に共有
NottaのURLを共有リンクで送る、またはテキストをコピーしてSlackやメールで送る。
以上で完了だ。特別な技術知識は必要ない。
よくある失敗と対処法
「精度が低くて使えない」
会議中の環境音、複数人が同時に話す状況、専門用語や社名が正しく変換されないケースが多い。対処法は2つ。
- イヤホンマイクを使う(外部のノイズを遮断するだけで精度が改善するケースが多い)
- Nottaの単語登録機能を使う(会社名・商品名・人名をあらかじめ登録しておくと誤変換が減る)
「始めたが誰も使わなくなった」
ツールを入れるだけでは定着しない。最初から「会議の議事録はNottaのリンクを共有する」というルールを決めておくことが重要だ。ファイルを作って保存するのではなく、URLをSlackに貼るだけにすると手間が最小化される。
「どのプランを選べばいいかわからない」
まず無料プランで試す。月の文字起こし時間が上限に達してから有料プランに切り替えれば十分だ。Nottaの年払いプレミアムは月1,185円で月1,800分まで使える。週2〜3回の会議がある会社なら十分な容量だ。
まとめ
議事録をAIで自動作成するのに、特別な技術は必要ない。すでに録音できる環境があれば、今日から始められる。
進め方のポイントは3つだ。
- 無料プランで試す(Nottaまたはtl;dv)
- 使えると判断したら有料プランへ移行する(月1,000円台)
- 「議事録はツールで作る」ことを会社のルールにして定着させる
議事録作成に消えていた時間を別の仕事に充てることができる。それだけでも、導入する意味は十分にある。
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