会議が終わるたびに「議事録をまとめなければ」という作業が発生する。録音を聞き直しながら整理する時間、1件あたり30〜60分。月10件の定例があれば月5〜10時間が議事録作成に消えている計算だ。
ChatGPTで議事録を作成すると、この作業が「録音をテキスト化してプロンプトに貼り付ける」だけになる。ポイントは「どんなプロンプトを使うか」だ。
この記事では、会議の種類別に使えるプロンプト8パターンをコピペできる形で整理する。
1. 準備:録音をテキスト化するには
ChatGPTに音声データを直接貼り付けることはできない(有料版のGPT-4oは音声入力可)。まずは録音をテキスト化してから貼り付ける。
テキスト化の選択肢:
| ツール | 費用 | 特徴 |
|---|---|---|
| Notta | 月1,500円〜 | 日本語精度が高い・Zoom/Meet連携 |
| Otter.ai | 無料プランあり | 英語に強い |
| Google Meet 文字起こし | Google Workspace含む | Meet会議で自動生成 |
| Apple iPhone 録音機能 | 無料 | iOS18〜文字起こし機能 |
| macOS メモアプリ | 無料 | Mac使用者向け |
テキスト化の精度が低くても、ChatGPTは文脈から意味を補完して整理してくれる。多少誤字があっても問題なく使える。
2. 基本の議事録プロンプト(汎用)
使い方: テキスト化した会議の内容をそのまま貼り付ける。最も汎用性が高い。
以下は会議の音声をテキスト化したものです。
このテキストをもとに議事録を作成してください。
【会議情報】
- 日時: ○○年○月○日
- 参加者: ○○、○○(担当者名 or 役職)
- 目的: (例: 月次定例/プロジェクト確認/顧客打ち合わせ)
【議事録の形式】
1. 会議の目的・背景
2. 報告・共有事項
3. 議論した内容
4. 決定事項(箇条書き)
5. 宿題・アクションアイテム(担当者・期限を明記)
6. 次回会議の予定
【テキスト】
(ここに会議テキストを貼り付ける)
※個人名はそのまま記載します。
※私が内容を確認・修正します。
3. 社内定例会議向けプロンプト
週次・月次の社内定例に特化したプロンプト。KPI報告・課題・アクションが多い会議向け。
以下の会議テキストをもとに、社内定例の議事録を作成してください。
【会議情報】
- 開催: 週次営業定例(または月次全体会議 等)
- 日時・参加者: (入力してください)
【作成形式】
## 1. 数字・KPI報告(担当者別)
## 2. 課題・懸念事項
## 3. 対応策・決定事項
## 4. 各担当のアクションアイテム(担当|内容|期限)
## 5. 次回確認事項
条件:
- アクションアイテムは「誰が・何を・いつまでに」を明確に
- 数字は会話から抽出して箇条書きにする
- 決定していないことは「保留」と明記する
【テキスト】
(会議テキストを貼り付ける)
4. 顧客との商談・打ち合わせ向けプロンプト
外部顧客との商談記録。次のアクションと確認事項を明確にすることが重要。
以下は顧客との打ち合わせ記録のテキストです。
担当者が社内で確認・共有するための議事録を作成してください。
【会議情報】
- 顧客名: ○○様(○○株式会社)
- 日時: ○○年○月○日
- 自社参加者: ○○、○○
【作成形式】
## 1. 打ち合わせの目的
## 2. 顧客の状況・現在の課題(ヒアリング内容)
## 3. 顧客からの要望・確認事項
## 4. 自社からの提案・回答
## 5. 合意した内容
## 6. 未確認・保留事項
## 7. 次回アクション(担当者別|期限)
条件:
- 顧客の発言と自社の発言を区別して整理する
- 「顧客が気にしていた点」を重点的に記録する
- 次回に確認すべき事項は見落とさないように整理する
【テキスト】
(テキストを貼り付ける)
5. 1on1・面談記録向けプロンプト
マネージャーと部下の1on1、または外部コンサルとの面談記録。機密性が高いため、個人名の扱いに注意が必要。
以下の1on1ミーティングのテキストをもとに、面談記録を作成してください。
【会議情報】
- 形式: 1on1(上長:○○ / メンバー:○○)
- 日時: ○○年○月○日
【作成形式】
## 1. 今回のテーマ・目的
## 2. メンバーの状況・懸念事項
## 3. 上長のフィードバック・アドバイス
## 4. 合意した行動目標
## 5. 次回確認事項
条件:
- 個人的な感情表現はそのまま残さず、要点を整理する
- 「合意した行動目標」は具体的に(何を・いつまでに・どのように)
【テキスト】
(テキストを貼り付ける)
※機密情報が含まれるため、このプロンプトはChatGPT Business/Teamプランで「学習無効化」設定を有効にして使用してください。
6. プロジェクト進捗会議向けプロンプト
複数人が進捗を報告する会議。タスクの状態と次のアクションを整理することが重要。
以下はプロジェクトの進捗確認会議のテキストです。
議事録を作成してください。
【会議情報】
- プロジェクト名: ○○
- 会議名: 週次進捗確認
- 日時・参加者: (入力してください)
【作成形式】
## 1. 各担当の進捗報告サマリー
| 担当者 | 担当タスク | 進捗 | 課題 |
|---|---|---|---|
(テキストから抽出して表に整理してください)
## 2. 課題・ブロッカー
## 3. 意思決定事項
## 4. 次週のアクションアイテム(担当者|内容|期限)
## 5. リスク・懸念事項
条件:
- タスクの進捗は「完了/進行中/未着手/遅延」で整理
- 課題は「誰が解決するか」まで明記
【テキスト】
(テキストを貼り付ける)
7. 短い打ち合わせの簡易議事録(5分以内)
長い会議ではなく、廊下での立ち話・電話での短い確認を記録するプロンプト。
以下の短い打ち合わせ内容を、簡潔な共有メモにまとめてください。
【状況】
- 形式: 電話 / 立ち話 / Slack通話 など
- 相手: ○○
- 日時: ○月○日 ○時頃
【作成形式】
- 決定事項: (箇条書き)
- 確認が必要なこと:
- アクション: (担当者|内容|期限)
【内容メモ】
(話した内容を思い出しながら箇条書きで入力)
8. 会議テキストから要点だけ抽出するプロンプト
長い会議テキストを全員に送るのではなく、「要点だけ知りたい人向け」のサマリーを作るプロンプト。
以下の会議テキストから、出席しなかった関係者に送る要点サマリーを作成してください。
【対象読者】
- 出席できなかった経営者 / 別部門のマネージャー 等
- AIや会議の背景知識は十分ある
【作成形式】
## 今日の結論(3行以内)
## 決まったこと(箇条書き)
## 次のアクション(担当者・期限付き)
## 特記事項・次回に向けた注意点
条件:
- 全体の長さは400字以内
- 「決まっていないこと」「保留になったこと」も明記する
【テキスト】
(テキストを貼り付ける)
9. 議事録作成で失敗しないポイント
AIの出力をそのまま送らない
ChatGPTは文脈から補完して「それらしい内容」を生成する。実際の会議で決定していない内容が、さも決まったことのように書かれることがある。必ず担当者が内容を確認してから送付する。
長い会議は分割して入力する
1回のプロンプトに入力できるテキスト量には上限がある(Claude Proは約15万字まで)。2時間以上の会議は「前半」「後半」に分けて別々に要約し、最後に合算する方法が現実的だ。
個人情報・守秘義務情報の取り扱い
顧客名・財務数字・個人情報をChatGPTに入力する場合は、ChatGPT Business / Team プランで「会話データを学習に使わない」設定を有効にする。無料プランや個人用Plusプランでは、学習に使われる可能性がある。
プロンプトを使い回す
毎回プロンプトを書くのは手間になる。「よく使うプロンプト」をメモアプリやChatGPTのカスタム指示に保存し、テキストを貼り付けるだけの状態にしておくと継続しやすい。
10. 議事録作成のAIツール比較
| ツール | 月額 | 特徴 | 議事録作成への適性 |
|---|---|---|---|
| ChatGPT Plus | 月3,000円 | 汎用・プロンプト自由度高い | ◎(テキスト入力で汎用プロンプト) |
| Claude Pro | 月3,000円 | 長文に強い | ◎(長い会議テキストに特に強い) |
| Notta | 月1,500円〜 | 録音→文字起こし+要約の一体型 | ◎(録音から直接議事録生成) |
| Microsoft Copilot | M365含む | TeamsのAI文字起こし+議事録 | ○(Teams使用者向け) |
用途別のおすすめ:
- 「録音から直接議事録にしたい」→ Notta
- 「テキストを貼り付けて細かく整理したい」→ ChatGPT Plus または Claude Pro
- 「Teamsを使っている」→ Microsoft 365 Copilot
まとめ
ChatGPTで議事録を作る流れは:
- 会議を録音する
- NottaやGoogle Meet等でテキスト化する
- この記事のプロンプトにテキストを貼り付ける
- 生成された議事録を確認・修正する
「録音してプロンプトに貼るだけ」の作業になれば、1件あたり30〜60分かかっていた議事録作成が5〜10分に短縮できる。月10件の会議があれば、月4〜9時間の削減が見込める。
まずは次の会議でNottaかiPhoneの音声録音機能を使い、テキスト化してここのプロンプトを試してみることから始めるのがいい。
「プロンプトの設計・最適化をまとめてやりたい」「複数業務でのAI活用を体系化したい」という場合は、AI顧問への相談が効率的だ。