AI×事務

議事録作成のChatGPTプロンプト集|コピペで使える8パターン

会議が終わるたびに「議事録をまとめなければ」という作業が発生する。録音を聞き直しながら整理する時間は、1件あたり30〜60分。月10件の定例があれば月5〜10時間が議事録作成に消えている計算だ。

僕は業務効率化エンジニアとして自社でも月15件以上の会議をこなしているが、ChatGPTで議事録を作り始めてから、1件あたりの所要時間が45分から8分程度に短縮された。年間換算で100時間以上の削減だ。作業の中身も変わった。「聞き返しながら文字起こし」ではなく、「録音テキストをプロンプトに貼り付けて確認する」だけになった。

この記事では、会議の種類別に使えるプロンプト8パターンをコピペできる形で整理する。どれも実際に僕が使っているか、複数の現場で検証したものだ。

1. ChatGPTで議事録を作るとどれだけ変わるか

手作業とChatGPT活用の工数比較

「どれくらい効果があるのか」を最初に整理しておく。月15件の定例会議を前提にすると、以下のような差が出る。

項目 手作業 ChatGPT活用
1件あたりの所要時間 30〜60分 5〜10分
月15件あたりの合計 450〜900分(7〜15時間) 75〜150分(1〜2.5時間)
年間削減時間 70〜100時間以上
作業の性質 録音の聞き直し+文字入力 テキスト貼り付け+確認修正
属人化リスク 高い(担当者依存) 低い(プロンプトを共有すれば誰でも作れる)

削減時間だけでなく、「誰でも同じクオリティで作れる」点が大きい。議事録の書き方に個人差があると、後で読んだときに情報が抜けていることがある。プロンプトを統一すれば、品質が安定する。

ChatGPTでできること・できないこと

AIの議事録作成には限界もある。使い始める前に整理しておきたい。

領域 ChatGPTの適性 補足
発言の要約・整理 長い会話を構造化するのが得意
アクションアイテムの抽出 「誰が何をいつまでに」の形式で出せる
決定事項と保留事項の分類 プロンプトで指定すると精度が上がる
発言者の特定 テキストに話者が書かれていれば可能。音声から自動で判別はできない
発言の真意・ニュアンスの読み取り 行間を読む判断は人間が最終確認する
会議参加していない背景情報の補完 × AIはテキストにないことは書けない

「AIが書いたものを自分でチェックして送る」という前提を持っておけば、期待値のズレによる失敗は防げる。

2. 準備:録音をテキスト化するには

ChatGPTに音声データを直接貼り付けることはできない(有料版のGPT-4oは音声入力可)。まずは録音をテキスト化してから貼り付ける。

テキスト化ツールの比較

ツール 月額 日本語精度 特徴
Notta 月1,500円〜 日本語精度が高い。Zoom/Google Meet連携あり
Otter.ai 無料プランあり △(英語に強い) 海外拠点のある会社に向く
Google Meet 文字起こし Google Workspace含む Meet会議で自動生成。別途ツール不要
Apple iPhone 録音機能 無料 iOS18以降で文字起こし機能あり
macOS メモアプリ 無料 Mac使用者向け。日本語精度は許容範囲

僕はNottaを使っている。月1,500円のコストに対して、録音からテキスト化まで自動で完結するのが大きい。Zoom会議のあとに自動でテキストが届く設定にしているので、会議後のひと手間すら不要になった。日本語の固有名詞(会社名・製品名)は誤認識が出るが、ChatGPTが文脈から補完してくれるので実用上は問題ない。

AI議事録ツール専用のサービスについては「AI議事録ツール比較5選|中小企業が選ぶときのポイントと無料プランの実態」で詳しくまとめている。専用ツールかChatGPT活用かを判断したい場合は合わせて読んでほしい。

3. 基本の議事録プロンプト(汎用)

使い方: テキスト化した会議の内容をそのまま貼り付ける。最も汎用性が高い。


以下は会議の音声をテキスト化したものです。
このテキストをもとに議事録を作成してください。

【会議情報】
- 日時: ○○年○月○日
- 参加者: ○○、○○(担当者名 or 役職)
- 目的: (例: 月次定例/プロジェクト確認/顧客打ち合わせ)

【議事録の形式】
1. 会議の目的・背景
2. 報告・共有事項
3. 議論した内容
4. 決定事項(箇条書き)
5. 宿題・アクションアイテム(担当者・期限を明記)
6. 次回会議の予定

【テキスト】
(ここに会議テキストを貼り付ける)

※個人名はそのまま記載します。
※私が内容を確認・修正します。

4. 社内定例会議向けプロンプト

週次・月次の社内定例に特化したプロンプト。KPI報告・課題・アクションが多い会議向け。


以下の会議テキストをもとに、社内定例の議事録を作成してください。

【会議情報】
- 開催: 週次営業定例(または月次全体会議 等)
- 日時・参加者: (入力してください)

【作成形式】
## 1. 数字・KPI報告(担当者別)
## 2. 課題・懸念事項
## 3. 対応策・決定事項
## 4. 各担当のアクションアイテム(担当|内容|期限)
## 5. 次回確認事項

条件:
- アクションアイテムは「誰が・何を・いつまでに」を明確に
- 数字は会話から抽出して箇条書きにする
- 決定していないことは「保留」と明記する

【テキスト】
(会議テキストを貼り付ける)

5. 顧客との商談・打ち合わせ向けプロンプト

外部顧客との商談記録。次のアクションと確認事項を明確にすることが重要だ。商談の場合、「顧客が何を気にしていたか」「何に合意したか」を正確に記録しておかないと、後で言った言わないのトラブルになることがある。


以下は顧客との打ち合わせ記録のテキストです。
担当者が社内で確認・共有するための議事録を作成してください。

【会議情報】
- 顧客名: ○○様(○○株式会社)
- 日時: ○○年○月○日
- 自社参加者: ○○、○○

【作成形式】
## 1. 打ち合わせの目的
## 2. 顧客の状況・現在の課題(ヒアリング内容)
## 3. 顧客からの要望・確認事項
## 4. 自社からの提案・回答
## 5. 合意した内容
## 6. 未確認・保留事項
## 7. 次回アクション(担当者別|期限)

条件:
- 顧客の発言と自社の発言を区別して整理する
- 「顧客が気にしていた点」を重点的に記録する
- 次回に確認すべき事項は見落とさないように整理する

【テキスト】
(テキストを貼り付ける)

6. 1on1・面談記録向けプロンプト

マネージャーと部下の1on1、または外部コンサルとの面談記録。機密性が高いため、個人名の扱いに注意が必要だ。

このプロンプトを使う場合、必ずChatGPT Team/Businessプランの「学習無効化」設定を有効にして使うこと。無料プランや個人用Plusプランだと、入力したデータがモデルの学習に使われる可能性がある。人事情報や個人の評価に関わる内容は、プランの確認を先にやる。


以下の1on1ミーティングのテキストをもとに、面談記録を作成してください。

【会議情報】
- 形式: 1on1(上長:○○ / メンバー:○○)
- 日時: ○○年○月○日

【作成形式】
## 1. 今回のテーマ・目的
## 2. メンバーの状況・懸念事項
## 3. 上長のフィードバック・アドバイス
## 4. 合意した行動目標
## 5. 次回確認事項

条件:
- 個人的な感情表現はそのまま残さず、要点を整理する
- 「合意した行動目標」は具体的に(何を・いつまでに・どのように)

【テキスト】
(テキストを貼り付ける)

※機密情報が含まれるため、このプロンプトはChatGPT Team/Businessプランで「学習無効化」設定を有効にして使用してください。

7. プロジェクト進捗会議向けプロンプト

複数人が進捗を報告する会議。タスクの状態と次のアクションを整理することが重要で、「誰が詰まっているか」を見逃さないことが求められる。


以下はプロジェクトの進捗確認会議のテキストです。
議事録を作成してください。

【会議情報】
- プロジェクト名: ○○
- 会議名: 週次進捗確認
- 日時・参加者: (入力してください)

【作成形式】
## 1. 各担当の進捗報告サマリー

| 担当者 | 担当タスク | 進捗 | 課題 |
|---|---|---|---|
(テキストから抽出して表に整理してください)

## 2. 課題・ブロッカー
## 3. 意思決定事項
## 4. 次週のアクションアイテム(担当者|内容|期限)
## 5. リスク・懸念事項

条件:
- タスクの進捗は「完了/進行中/未着手/遅延」で整理
- 課題は「誰が解決するか」まで明記

【テキスト】
(テキストを貼り付ける)

8. 短い打ち合わせの簡易議事録(5分以内)

長い会議ではなく、廊下での立ち話・電話での短い確認を記録するプロンプト。


以下の短い打ち合わせ内容を、簡潔な共有メモにまとめてください。

【状況】
- 形式: 電話 / 立ち話 / Slack通話 など
- 相手: ○○
- 日時: ○月○日 ○時頃

【作成形式】
- 決定事項: (箇条書き)
- 確認が必要なこと:
- アクション: (担当者|内容|期限)

【内容メモ】
(話した内容を思い出しながら箇条書きで入力)

9. 会議テキストから要点だけ抽出するプロンプト

長い会議テキストを全員に送るのではなく、「要点だけ知りたい人向け」のサマリーを作るプロンプト。


以下の会議テキストから、出席しなかった関係者に送る要点サマリーを作成してください。

【対象読者】
- 出席できなかった経営者 / 別部門のマネージャー 等
- AIや会議の背景知識は十分ある

【作成形式】
## 今日の結論(3行以内)
## 決まったこと(箇条書き)
## 次のアクション(担当者・期限付き)
## 特記事項・次回に向けた注意点

条件:
- 全体の長さは400字以内
- 「決まっていないこと」「保留になったこと」も明記する

【テキスト】
(テキストを貼り付ける)

10. 議事録作成AIツールの比較

ChatGPTを使う方法の他に、議事録作成に特化したAIサービスもある。どれを選ぶかは会議の形式と予算による。

ツール 月額 録音→テキスト化 議事録自動生成 中小企業への適性
ChatGPT Plus 月3,000円 別途ツール必要 プロンプト次第(自由度高) ◎ 柔軟なプロンプト設計が強み
Claude Pro 月3,000円 別途ツール必要 長文テキストに特に強い ◎ 2時間超の会議テキストに向く
Notta 月1,500円〜 ◎ 自動 要約機能あり ◎ 録音からワンストップで完結
Microsoft 365 Copilot M365プラン含む Teams連携で自動 Teams会議に限定 ◯ Teams利用者向け
Google Meet + Gemini Google Workspace含む Meet連携で自動 Google Workspace内で完結 ◯ G Suite環境がある会社向け

ChatGPTとClaudeの使い分けは「ChatGPT・Claude・Geminiの違いと中小企業での使い分け」で詳しく整理している。「議事録にどちらが向くか」という観点で言えば、会議が1時間以内ならどちらも差がない。2時間超の長い会議テキストはClaudeの方が向いている(コンテキスト長が長いため)。

11. 議事録作成で失敗しないポイント4選

業務効率化エンジニアとして複数の現場でChatGPT議事録を導入してきた経験から、よくある失敗と回避策をまとめる。

ポイント1: AIの出力をそのまま送らない

ChatGPTは文脈から補完して「それらしい内容」を生成する。実際の会議で決定していない内容が、さも決まったことのように書かれることがある。

実際に経験した例では、「検討する」と言っていただけなのに「○○を採用することで合意した」と書かれたことがある。これをそのまま顧客に送ったら、後で「そんな合意はしていない」というトラブルになる可能性があった。必ず確認してから送付することを絶対条件にしている。

ポイント2: 長い会議は分割して入力する

1回のプロンプトに入力できるテキスト量には上限がある(Claude Proは約15万字まで)。2時間以上の会議は「前半1時間」「後半1時間」に分けて別々に要約し、最後に合算する方法が現実的だ。

分割するときは「前半の要約」を後半のプロンプトに添えると、文脈が途切れない。「前半のポイント:○○。後半のテキストを以下に:」という形で渡すと、AIが連続した会議として扱ってくれる。

ポイント3: 個人情報・守秘義務情報の取り扱い

顧客名・財務数字・個人情報をChatGPTに入力する場合は、ChatGPT Team/Businessプランで「会話データを学習に使わない」設定を有効にする。無料プランや個人用Plusプランでは設定が異なる。

ChatGPT Plusで十分か、Business/Teamプランへのアップグレードが必要かの判断基準は「ChatGPT Teamで足りる会社、AI顧問が必要な会社の違い」にまとめている。

ポイント4: プロンプトを使い回す

毎回プロンプトを書くのは手間になる。「よく使うプロンプト」をメモアプリかChatGPTのカスタム指示に保存し、テキストを貼り付けるだけの状態にしておくと継続しやすい。

僕は用途別のプロンプト6種類をNotionに保管している。会議後にNottaからテキストが届いたら、該当するプロンプトにテキストを貼り付けるだけで議事録ドラフトができる。この運用に変えてから、議事録の品質バラつきも消えた。フォーマットが統一されることで、後から読む人の理解速度も上がる。

12. まとめ

ChatGPTで議事録を作る流れは以下の4ステップだ。

  • 会議を録音する
  • Notta(月1,500円〜)やGoogle Meetでテキスト化する
  • この記事のプロンプトにテキストを貼り付ける
  • 生成された議事録を確認・修正して送付する

「録音してプロンプトに貼るだけ」になれば、1件あたり30〜60分かかっていた作業が5〜10分に短縮できる。月10件の会議があれば月4〜9時間の削減が見込める。

議事録だけでなく、ChatGPTを業務全般で活用する方法は「ChatGPTを中小企業の業務で使う方法|実務活用ガイド」に整理している。「どの業務から手をつけるか」で迷っている場合は「中小企業の業務効率化は何から始める?最初の一歩を具体的に解説」も参考になる。

業務効率化エンジニアとして自社でも回している立場から言うと、議事録作成は「AIが最も効果を出しやすい業務のひとつ」だ。投資は月1,500〜3,000円のツール費用のみで、効果は初日から出る。試さない理由がない。

関連記事

読んで欲しい記事

1

AI顧問とは月額契約で業務にAIを組み込む伴走サービス。AI研修・AIコンサルとの違い、仕事内容の月次フロー、費用感、向いている企業・向いていない企業を業務効率化エンジニアが解説。

「AI顧問って怪しい?」中小企業が騙されないための見分け方 2

「AI顧問が怪しい」と感じた中小企業経営者向け。詐欺・グレーゾーン・信頼できるの3段階を整理し、国税庁法人番号確認から事例ヒアリング・契約書チェックまで月3万〜30万円の費用帯ごとに判別する実践手順を解説する。

3

「AI顧問の費用対効果、どう判断すればいいか?」請求書処理が4時間から1時間に短縮できた場合など業務別の計算方法と、freeeなどへの入力時間をROIに換算する事前記録の整え方を解説する。

-AI×事務